東海科学機器協会の会報

No.347 2013 秋号

会員だより 自転車との出会い

㈱日立ハイテクノロジーズ 中部支店 科学・医用システム部 湯川 崇

 2007年、名古屋に転勤した30歳台中盤から体力の衰えと自分のお腹に違和感を覚え始めていました。営業車での移動が多いためだろうなぁ等、言い訳を探していましたが、運動といっても飲み屋でのジョッキを口に運ぶ右腕の往復運動ぐらいでした。

 40歳台に突入し、お腹が自分のものか?と思えるほど成長し始めてきた時、このままではいけない、昔の体重、体力を懐かしく思い、何かエクササイズをしたいと考えていました。

 そんな折、弊社が扱っている装置の保守をしているグループ会社の技術者から、週末ロードバイクに乗っていて、一緒にやろうと誘ってもらいました。運よく1台自転車に空きがあり、それを譲り受けました。長久手から広瀬辺りを抜け、小原にあるコンビニを折り返す、だいたい70kmぐらいのコースを走りました。皆にペースを合せてもらい、峠の登りでは何度か自転車を降りそうになりましたが、無事、戻ってくることができました。
登りは太ももがパンパンになりますが、山道の下りは爽快、平坦な道を皆で連なって漕いでいる時は、想像していた以上に楽しいものを見つけてしまったなぁという感情を持ちました。

 ロードバイクに乗り出してから間もない頃、琵琶湖を1周しようと誘われました。コースは長浜から反時計回りに進み、琵琶湖大橋を渡って長浜に戻る、距離にして160kmぐらいでした。
まだ未体験の距離ではありましたが、琵琶湖北の湖畔はとても綺麗で、湖畔のカーブを何台ものバイクが連なって進んでいく光景がたまらなく気持ちいいものでした。

 2回目の休憩前、体力も切れてきて、琵琶湖大橋の登りを、えんやこらと漕いでいたら、身も知らないロードバイカーが、一緒にペースを合せ漕いでくれました。「べた足でよう頑張りますな—」と声をかけられ、橋を登り終えると抜いて行かれました。
ペダルには、ノーマルペダル(べた足)とビンディングペダルというのがあって、譲り受けた自転車はまだノーマルペダルのままで漕いでいました。ビンディングペダルは、スキーのように靴をペダルに固定し、引き足も使えて効率の良いペダリングが出来ます。
長浜城が見えるまでの最後の40kmは向かい風もあり、辛かった覚えがありますが、自分のロードバイクを買って、ビンディングとやらを付けて、また来よう等と考えながら、完走出来ました。

 数ヵ月後、長久手にあるプロショップで組み上げて頂き、自分のロードバイクを手に入れました。最近太り気味の愛犬(トイプードル)よりも軽いカーボンフレームにして、もちろんビンディングペダルで。

 私はまだまだ初心者で、ペースの遅い亀さんチームの一員として連なって漕いでいます。足腰は昔の状態に戻りつつあるので、楽しく続けられたと思う次第ですが、気になっていた私のお腹、これはどうも日頃の生活を改善しないと自分のものにはならないようですね。