東海科学機器協会の会報

No.347 2013 秋号

会員だより 剣道の魅力について

㈱堀場テクノサービス 前野智裕

 株式会社堀場テクノサービスの前野と申します。本日は、私が学生時代から競技を続けています「剣道」についてお話をさせていただきます。

 皆さんは剣道というスポーツを経験あるいはご覧になったことはありますでしょうか。野球やサッカー等と違い、あまり馴染みのないスポーツかもしれませんが、学生時代に授業で体験された方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も剣道を始めたのは高校生になってからで、これまでと違ったスポーツに挑戦してみたいという思いからでした。
野球やバスケットボール等、これまで球技種目をやってきた私にとって剣道は全く違うスポーツで、非常に魅力的に感じました。濃紺の剣道着に防具を身に着け、竹刀一つで相手と対峙する。その動作や立ち姿、そして「礼に始まり礼に終わる」と言った礼儀作法がしっかりとしている点が剣道の良さ、素晴らしさでもあります。

 剣道部へ入部してからは自宅に帰ってからも素振りをして、少しでも経験者に追いつこうと毎日練習ばかりしていたと思います。小手と呼ばれる右手首の部分はいつも青あざが引かず、湿布やテーピングをして練習に打ち込んでいました。特に稽古をしていただいたのが当時7段の顧問の先生でした。
地稽古と呼ばれる練習の際は、自分の持てる力を全て出して攻めますが、あっさり交わされてしまいます。しかし、稽古の後には、いつも、「この打ち込みは良かった」、「ここの構えが悪い」といったアドバイスを頂けるので、次からはこうしようと、とても考えさせられました。時に厳しく、時に優しい先生であり、今でも私の中で尊敬しています。

 剣道をしている中で、私が特に印象に残っている言葉をご紹介したいと思います。
それは「四戒」を取り除く事です。四戒とは驚き、懼れ、疑い、惑い、これらの四つの邪念を持たずに、常に精神を冷静に保つ事という意味だそうです。私は相手がどういった選手で何をしてくるのだろうと考える事が多く、特に試合においてその事が顕著に表れてしまい、半歩遅れる事が多々ありました。
その時にこの言葉を思い出す事で、相手も同じような気持ちがあり自分自身の剣道をすれば大丈夫と言い聞かせていました。
剣道の試合では面の下に手ぬぐいを巻きますが、私はそこに四戒の文字が書いてある手ぬぐいをを身につけ、試合前にはいつも意識してから試合に臨んでいたのを覚えています。

 高校から始めた剣道を社会人になった今でも続ける事が出来たのは本当に良かった事だと思っています。
今年に入り生まれ故郷の京都を離れてからは、少し実戦の機会から遠ざかっていますが、秋には大きな大会や昇段審査も控えており、非常に楽しみな気持ちです。精一杯努力して、最高の結果を出せるよう精進して参ります。
最後に、このお話を通じまして、少しでも多くの方が剣道に興味を持って下されば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。