東海科学機器協会の会報

No.279 2000 1月号

おらが春嬉しさは中くらいかな

東海科学機器協会 理事 後藤 聡(株式会社中央理化器製作所)


新年明けまして
    おめでとうございます。

 ’99年プロ野球日本シリーズは、惜しくもドラゴンズはトップになれなかったですが、そのために今年こそはという目的が出来てある意味では、二位の方が良いのかも知れません。最高に嬉しい春よりも中くらいの春の方が今年への目的とやる気が出るものです。ヘタにトップに立つと、追われる者の義務感と責任感にさいなまれて、王さんも大変だろうなと思います。過去ドラゴンズのシリーズ優勝の年は景気が悪くその翌年に景気が良くなるという現象が見られたそうですが、銀行が再編成されたり、メーカーが縮小統合されたり、かつてなかった社会経済状況のもとでいかにハイリスクをさけ、ノーリターンでない少しのリターンを求めるか、まかり間違ってもどこかの取り立ての腎臓1個いくらなんてことにならないように気を付けないと、と言っても健康な腎臓でないと売れないかな。売った買ったは……の内にというが、今後益々売る事は難しい時代になるであろうし、知らない間にインターネットで売買終了になってしまったり、今後コンピューターの世話なしには過ごせそうにないであろうし、中くらいの嬉しさがコンピューターにわかるかな。なにもかもデジタル化してしまい、速度が限りなく速くなって来ると、人間は直観的にそのデータや結果を判断してしまいがちになり、そこまでの過程や方法はどうでもよく、その結果だけを読んでしまいそうな人間が増えてきはしないだろうか。
 稲を植え実を付けるまでの時間的余裕が、生物や動物等自然界のサイクルとして大切ではなかろうか。この時間的サイクルは、21世紀、22世紀へと益々短くなっていくとしたら、暦とは、春とはそのただ一点になってしまい、セミコロン程の値打ちしか無くなってしまわないだろうか。おらが春と感じられる今が良いのかも知れない。たとえどんなに寒い春であっても、人の感性を大事にして健康に生きていきたいものだと“屠蘇”に酔いしれて……。