東海科学機器協会の会報

No.351 2014 夏号

会員だより お手軽星景写真

伊勢久㈱ 木部 信夫

写真1

写真1

 最近のデジタルカメラは性能がよくなり、一眼レフやミラーレス一眼はもちろんですが、ちょっと性能の良いコンパクトデジカメでも、(明るいレンズで、10秒程度以上シャッターを解放にできる機種)比較的簡単に星景写真を撮ることができるようになってきました。

 私も一度挑戦と思い、先日、撮影してきましたのでご紹介したいと思います。
 用意するものは、デジタルカメラと三脚です。コツとしては、三脚でしっかり固定することと、シャッターを押す時にブレやすいので、レリーズかリモコンを使いシャッターを切る。どちらもない場合は、タイマーを使う方法もあります。

 もう一つのコツとして、星だけを撮りたいときは、月明かりのないときのほうがよいのですが(天の川とか)、周りの景色を入れて撮る場合は、少々の月明かりがあったほうが、よりきれいに景色も写りこみます。

 写真1は月を背にして北の星(北斗七星・北極星)と、景色(御嶽山・おんたけ休暇村)を撮影したものです。
 撮影条件は、状況により変わりますが、今回は、焦点距離11mm・絞り:f2.8、シャッター:10秒解放、ISO:800です。当日の夜は月が明るいため(月齢18)、露出時間を短くし、ISO感度も抑えました。
 デジカメはその場で確認できますので、条件を変えて何枚か撮影し、最適条件を見つけるのがよいと思います。

 印刷では、細かい星が見えないかもしれませんが、パソコンの画面上では、結構暗い星(約6等星程度まで)も映り込んでいます。

 また、この写真を簡単に合成できるソフトが出ておりまして、それを利用して、比較明合成なるものに挑戦してみたのが次の写真2です。今回フリーソフト(SiusuComp)を利用したのですが、非常に簡単に出来てしまい驚きました。

 写真1と同条件の写真を、連続で200枚撮影し合成したものです。フォルダーにデータを入れ,あとは少々の設定をし、スタートボタンを押すだけ。待つこと数分で、こんな写真が出来でしまいました。

写真2

写真2

 インターネットで「星景写真 比較明合成」で検索すれば多くのサイトで紹介されています。フリーソフトの使用は心配という方には、少々高いですがアストロアーツより、ステライメージという製品も出ています。
 これから夏に向け、山や海など星のきれいなところへ出かけられたとき、一度お試しいただければと思います。