東海科学機器協会の会報

No.338 2011 冬号

〔会員だより〕 我が家のエコ


株式会社  伸栄科学 小久保達也


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十年前にマイホームを購入した際、妻の強い希望で、薪ストーブを設置しました。寒冷地や別荘地ならともかく、こんな新興宅地で暖炉なんてどうだなのろう?と思ったのですが、意外にも新興宅地でのニーズは多いらしく、同じ町内にも何軒か薪ストーブを設置しているお宅がありました。北欧などによくあるサンタが入って来るようなタイプのものではなく、鋳鉄製のごくシンプルでコンパクトなスタイルのもの。偶然、すぐ近所の方が同様のストーブを設置していたこともあり、色々と教えて頂いたり、情報交換したりと、仲良くさせて頂いています。

あまり深く考えもしないで設置した薪ストーブ、手始めは薪作りから。都会でのニーズも多いので、すぐに燃やせる状態の薪も多く売られていますが、何しろ値段が高価!!電気もガスも使わないので、暖房費の節約になれば、と簡単に考えていたのですが、まともに一冬分購入したら、従来の光熱費の比ではないので、比較的安価な丸太を購入したり、知り合いの造園業者が伐採した木を貰ったり。節約のためには、労力を惜しんではいけないと思い知りました。

ところがこの薪割り作業、見るとやるとでは大違い。初心者の自分が力任せに斧を振り下ろしても、手に大きな衝撃が来るは、薪は割れないは、薪に斧が刺さって抜けないは…。木の種類、乾き具合、節があると割れにくいなど、理屈ではなく、コツを掴むまで苦労の連続で、作業した翌日には、もれなく、強烈な筋肉痛という嬉しくないオマケまで付いてきました。

慣れるまでは、火を付けるのにも一苦労で、上手く点火したつもりが少し目を離した隙に消えてしまったり、煙が逆流して、家の中が煙りだらけになったこともありました。シーズンが終わると、煙突と本体のスス落とし掃除。これも結構な重労働で、手も顔も、鼻の中まで真っ黒になります。何度か不完全燃焼をした我が家の煙突は、なお一層ススだらけ。メンテナンスを怠ると故障の原因になるので、手抜きは禁物。

そんな思いまでして、それでも使い続けているのは、難関だった薪割りも、慣れてくるとストレス解消になり、筋肉痛をもたらす重労働も、適度な肉体改造になっていたように思います。そして、暖かな炎を見ているととても癒され、身体ばかりでなく、心まで暖められる気がします。ここ2~3年は、体力の衰えから薪を購入することも多くなり、運動不足気味のお腹回りを見て、ちょっと反省する日々ですが、エコロジーが見直されている今、節電も兼ねて、11年目の今年も薪ストーブを愛用しています。