東海科学機器協会の会報

No.353 2015 新年号

2014年10月15日 講演研修会レポート

ヤマト科学㈱名古屋支店 中川 博一

8 10月15日(水)ウインク愛知にて東海科学機器協会講演研修会『イキイキ仕事をするために~事故を7割減らすたった2つの習慣』を開催し、多くの聴講者のご来場をいただきました。
前回と大幅に変った切り口のため、動員を心配しておりましたが、ほぼ定員一杯の87名の参加となりました。

 従来の安全教育は、『交通ルールを守りましょう』『余裕を持った行動をしましょう』などと曖昧で具体性に欠ける指導が多かったように思います。
日頃時間に追われている営業マンにとって、運転中100パーセント集中力を維持することはとても困難な作業です。
講師の江上氏は交通事故のリスクや損失について簡単に述べたうえで「たった2つの理由で事故は起きる」としています。
それは、「集中力が持続出来ないために起こる認知反応速度の遅れ」と「人間の先急ぎ衝動によるスピードの出し過ぎ」にあるそうです。

 そして、これを前提として、交通事故の原因のうち7割を占めている「追突」と「交差点の出合い頭事故」を防ぐべき事故としてフォーカスし、具体論を展開されました。
すなわち、
①追突事故を防ぐため車間距離を4秒とること(認知反応時間2秒+制動時間1.5秒+0.5秒)。
②出合い頭事故を防ぐため2度停止すること。停止線があった場合、必ずその手前で停車する。
そして、ゆっくり発進して交差点の左右を見渡せるところで再度停止する。
このたった2つの習慣を身に付けることで事故は7割減らすことが出来ます。
人間の運転行動と交通事故の関係を科学的、心理学的根拠に基づき解明した「KM理論」による運転教育は非常に分かりやすく説得力のある講演でした。

 日頃当たり前のようにハンドルを握る私たちにとって、重大な事故は他人ごとでは有りません。
日々流れてくる自動車事故のニュースをつい他人事のように聞いていますが、明日は自分や家族が被害者や加害者になる可能性は十分に有ります。
安全運転は周囲に対する気配りでもあり、我々の企業活動におけるお客様や取引先への気配りにも通じるものが有ります。

 たった2つの習慣でこれほど事故を減らすことが出来る、まさしく『目から鱗』の講演会でした。江上講師のユーモアと実演を交えながらも理論的な説明に、会場は大きな笑いと拍手に包まれ大盛況のうちに終了致しました。

 たくさんの皆様のご来場、ありがとうございました。会員各位の自動車事故が無くなることを心より願っております。
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