東海科学機器協会の会報

No.360 2016 秋号

「JASIS 2016」を訪問して

東海科学機器協会副理事長 伊藤 弘一郎

 (一社)日本科学機器協会と(一社)日本分析機器工業会との共催による展示会は、2010年から「分析展/科学機器展」合同展示会として始まりました。2012年から展示会名称を「JASIS」と改め、今回で7回目となりました展示会は、平成28年9月7日から9月9日まで、幕張メッセ国際展示場で開催されました。

 JASISは分析機器・科学機器におけるアジア最大級の展示会として、「イノベーションを生み出し、将来のビジネス発展につながる発見の場となる」ことを目指し、今年の展示スペースは5ホール(昨年4.5ホール)に拡張されていました。その結果、出展小間数が昨年よりも5つ減り1,468小間になりましたが、出展社数は昨年よりも6社増え504社になりました。

 初日の9月7日は、9時40分から開会式が始まり、主催者挨拶として(一社)日本分析機器工業会
会長栗原権右衛門様と(一社)日本科学機器協会会長矢沢英人様から、また来賓ご挨拶として経済産業省大臣官房審議官三田紀之様から頂きました。TKKからは高木理事長、岡野相談役、私も臨席し、その後、テープカットをされ無事にJASIS 2016が開会されました。

 会場は、4ホールから8ホールまでの5ホールあり、ざっと参観しても1日では観きれないほどで、JASISの公式ホームページにも1日の過ごし方まで掲載されているほどです。今年のキャッチフレーズは昨年に引き続き「未来発見」(Discover the Future)でした。
 関連学会や団体が主体となるコンファレンスや各種セミナーも同時開催され、毎年、好評を博している新製品・新技術・最新のアプリケーションが紹介される新技術説明会が今年も開催されていました。

 JASIS2016の新企画として「オープンソリューションフォーラム~テーマ別新技術説明会~」を開催され、分析機器のアプリケーションはナノマテリアルや電池などの材料分野、環境分野、そして食品分野など、あらゆる分野に展開されていました。特に今回は「素材・材料の開発と品質管理が、我が国のものづくり競争力を支える」をコンセプトに、「自動車」「健康・機能性食品」「環境浄化製品」の3分野における機器分析の課題とソリューションについて紹介されていました。また2013年よりJASISの新企画としてスタートした「先端診断イノベーションゾーン」は、新たに「ライフサイエンスイノベーションゾーン」として発展的に継承され、“次世代ヘルスケア”と“先端創薬”をリードする最先端の分析ソリューションのセクションも増えていました。

 その他、分析機器・科学機器遺産認定事業として15件が認定され、認定証授与式が16時から行われました。一般に向けて分かりやすく伝え、啓蒙できる書籍の発刊を目指すようです。

 初日の最後は、17時30分より場所をホテルニューオータニ幕張 鶴の間に移し、祝賀パーティが盛大に行われたことをご報告させていただきます。