東海科学機器協会の会報

No.381 2022 1月号

かきゃあ あんたも サッカーコーチ始めました

株式会社名古屋医理科商会 三河営業所 川瀬 卓也

 3年前から地元のジュニアサッカークラブのコーチを始めました。きっかけは息子が友達の誘いでやりたいと言い、体験イベントに参加したことです。そのチームには私の先輩、後輩がコーチとして在籍しており、息子の入団とともにお誘いを受け、必然とコーチになっていました。私自身、サッカーは小学校1年生から始め、中学校、高校、大学、社会人、シニアと、つい3年程前までプレーしていましたが指導者の経験は全くなし、やってみたいとも思っていませんでした。引き受けた要因としては、息子がお世話になるのに見ているだけはできない、サッカーを違う角度からみてみたい、仕事での立ち位置が変わって来て育成について勉強したい、それらのことが重なり引き受けることとしました。そんなことで現在に至るまでドタバタ劇は進行中です。
 指導を始め最初に受け持ったのはU-6(年長6歳以下)カテゴリー。息子と同じ年代なのである程度やっていけると思ったら大間違い。数々の難題が待ち受けており、最初は「セミ」と「バッタ」。練習中に彼らが出現したらもう大変、こちらの指導そっちのけで戯れます。大声をあげても6歳児には届きません。対策としてはセミ、バッタより魅力的なトレーニングメニューを考案し、こっちの方が楽しいと気づかせるしかないのです。チームのスローガンでもある「自分で判断し行動できる人を育てる」の根源を肌で感じた瞬間でした。
 次の難題は保護者との関わり。我がクラブは営利目的の活動はしておらず、コーチはすべて他に仕事を持ったボランティアですが、預ける保護者としては様々な期待をもとに入会頂いておりま
す。近隣にも数あるサッカーチームの中から選んで頂いている以上、納得の頂ける指導、説明、
コミュニケーションが必要となります。
 最後の難題はコーチ不足。教育現場と同じで、選手の数に対し指導者の数が多いに越したことはありませんが、仕事や家庭の都合もあり集まらないのが現状です。
 ある時気づきました。「仕事とそっくりだ…、育てるつもりが育っているのは自分だ…」だからこそ続ける意味があると確信しました。ここまで少しネガティブなことも書いてしまいましたが、とにかくやり甲斐があり、日々子どもたちの笑顔、成長に救われている毎日です。今はU-8(小学2年8歳以下)カテゴリーを受け持っています。まだまだ指導者としては未熟ですが、いつか卒業生から「ここでサッカーができてよかった」と言ってもらえることを目標に、これからも続けていこうと思います。