[ サイエンスコーナー ] 地上デジタル放送について
文責:伊勢久(株)
菅谷 哲彦
1953年に日本でテレビ放送が開始され、その後技術の進歩によりテレビ放送が白黒からカラーに進化しました。テレビ放送開始から50年後の2003年12月からデジタル放送が開始されました。放送のデジタル化は、放送のカラー化の進化と違って受像機そのものを代えないと視聴できない大変大きな変革です。そこで地上デジタル放送についてご説明します。
【1】地上デジタル放送への移行の目的
テレビ放送によって、より多くの情報発信や多様なサービスを実現するためには多くの電波が必要となります。
電波は無限に使えるように思われますが、放送や通信に使えるのはある一定の周波数に限られています。電波は使用できる周波数に余裕がなく今ではもう限界です。アナログ放送のままではチャンネルが足りませんが、デジタル化すれば、チャンネルに余裕ができます。そのためにテレビ放送をアナログからデジタルへ移行します。
空いたチャンネルは、今後のさらなる地域への情報発信や多様なサービスの提供を実現していきます。
【2】世界のデジタル放送
地上デジタル放送は1998年にイギリスから開始され、現在はアメリカ、ドイツ、イタリア、韓国、台湾、シンガポールなど、世界の20以上の国と地域で放送されており、デジタル放送は世界の潮流となっています。
日本においては2003年12月から関東、中京、近畿の三大広域圏で開始され、その他の都道府県の県庁所在地は2006年末までに放送が開始されました
【3】現在のアナログ放送
日本においては2001年(平成13年)の電波法の改正により、アナログテレビ放送による周波数の使用は10年以内に停止することになりました。これによりアナログ放送は2011年の7月24日までに終了となり、地上デジタル放送に完全に移行することになります。
(BSアナログ放送も2011年までに終了します。)
【4】地上デジタル放送の特徴
(1) 高画質のハイビジョン映像と5.1chサラウンド放送で、高精細で臨場感あふれる放送を体感できます。
(2) ニュースや天気情報に加え、暮らしに役立つきめ細かな地域情報や生活情報など必要な情報をいつでも簡単にデータ放送として確認できます。
(3) 高齢者や障害のある方へのサービスが字幕放送や解説放送などで充実します。
(4) 家にいながら特集番組のリクエストやクイズ番組に参加できる双方向サービスも楽しめます。
(5) デジタル放送の1チャンネル分の周波数で、標準画質の番組は2~3番組を同時に放送することが可能です。(ex.スポーツ中継が延長になった場合もスポーツ中継を継続しながら、本来の番組も予定通り放送可能)
(6) 電子番組表(EPG)により1週間先までの番組情報がテレビで確認でき、リモコンで簡単に視聴予約や予約録画できます。
【5】地上デジタル放送を視聴するには
A.現在ご使用のテレビでご覧になるにはデジタルチューナーをご購入し、接続します。
(D3,D4端子の無いテレビでは画質は標準画質、高画質は得られません。)
B.地上デジタルチューナー対応テレビに買い換える
C.ケーブルテレビを契約されている方は契約されているケーブルテレビ局に地上デジタル放送対応になっているか確認して下さい。地上デジタル放送対応になっている場合でも方式が2通りあるため、現在のテレビで地上デジタル放送を視聴する方法を確認して下さい。
さあ、もうすでに始まっている地上デジタル放送の高画質の臨場感のある映像ライフを
堪能して下さい。