東海科学機器協会の会報

No.317 2007 秋号

[ 会員だより ] この夏の痛い贈り物

03_014“災いは忘れた頃にやってくる”は突然やってきた。今から1ヶ月程前の8月初旬の週末に趣味であるテニスをしていて、前に落ちたボールを拾おうとして1歩踏み出したとき、「ポコーン!」という音とともに前のめりに倒れ込んだ。その瞬間痛みがなかったので「誰?」って感じであったが、自分の足が動かないのにもかかわらず「私」と気づくのに少し時間がかかった。病院に行って、アキレス腱断裂だと分かったときはがっくりした。

アキレスといえば古代ギリシャ神話にでてくる神にアキレスというのがいるが、アキレスの母はアキレスが生まれると、不死の体にするために、アキレス腱のあたりを持って聖水の流れる川に浸したが、水に浸からなかったアキレス腱だけが急所となって後の戦争の折に、ここを射られて命を落としたという。

実際は、アキレス腱断裂は命にかかわることではなく、又、入社以来はじめての長期の休みだった為、神様がくれた痛ーい贈り物と思うことにした。手術をして入院をした。

入院患者に両足首にギプスをしている人がいた。酔っ払って2階から飛び降りて着地に失敗したらしい。怪我する理由にはいろいろあるようだが、このような微笑ましい?理由を聞くのは入院中の小さな楽しみだった。

リハビリルームでは、怪我や病気の後遺症のリハビリに悪戦苦闘している人、怪我以外は健康そのものの人等様々で皆、一生懸命回復しようとしていたが、リハビリ中に寝てしまうおばあさんや、寝たふりしてさぼろうとするおじいさん等もいて結構微笑ましかった。

私はテニスでアキレス腱を断裂してしまったが、早くテニスがしたくてたまらない……。

今は歩くこともままならない状態なので運動となると気が遠くなるが、アキレス腱を断裂した某有名体操選手が練習できない時“イメージし、考えること”を学んだというのをテレビで見て、単純な私は雑誌や教本等を読み、頭の中ではテニスの腕前はレベルアップしている。

 入院及び自宅療養期間は身内はもとより、気にかけてくださった方々にとても感謝しているとともに、長期の休み後にもかかわらず社会復帰ができることにも感謝している今日この頃である。