東海科学機器協会の会報

No.378 2021 春号

かきゃあ あんたも サラメシは、ラーメン

島津サイエンス西日本株式会社 名古屋支店 佐藤 雅大

 ラーメンはいいものだ。日本にはラーメン屋が約3万店舗あるらしい。日本全国どこへいってもラーメン屋がある。しかも、安い、うまい、スピーディな提供と、お金と心のゆとりがない私のようなサラリーマンには大変ありがたい。思い返せば私は旅行に出かけたときでさえもラーメンを食べてきた。私が2年前フィリピンへ友人に会いに行ったときもラーメンを食べたし、前職の有休消化中に訪れたスペインでもやはりラーメンを食べた。不思議な話だが、麺をすすっていると見知らぬ土地で強張った心が解れていくのだ。祖国の味とはこういうことを言うのだろうか。
 私は、入社して間もなく三重県の担当を持つようになった。これは半ばルーティンのようなものだが、毎週木曜日のランチは、決まって会社の大先輩とラーメンをすする。三重県は南勢から北勢まで、Googleマップを頼りに各地の名店に足を運んだ。約2年間で訪れたお店は60店舗を超えた。これは蛇足だが、私のおすすめは「松阪の四つ葉の鳥白湯ラーメン」、「四日市の一輪の魚介豚骨スープつけ麺」、「鈴鹿の大林の鯛塩ラーメン」、同じく「鈴鹿の一歩の塩ラーメン」の4軒。カップ麺に飽きた人は一度訪れてみることを強くおすすめしたい。
 ふとラーメンをすすりながら考える。この一杯が提供されるまでにどのような道程があったのだろうか。ラーメンは昭和、平成、令和と時代の移り変わりとともに広がりと奥行を増していった。味のジャンルも多岐にわたった。いつの時代も一芸に秀でた一杯は、我々消費者を魅了した。日々丁寧かつ独創的な仕事を積み重ね、名だたる名店は熾烈な競争を潜り抜け「他所では体験できない味」に到達した。
 弊支店を一つのラーメンに例えてみる。個性様々なメンバーは麺やスープやチャーシュー、それらを丼に盛り付け調理するのが支店長や課長といったところだろうか。支店一丸となってこの厳しいコロナ禍を乗り越えてきた。先輩方が自分の個性や強みを?き出しにして営業活動にいそしむ姿はとても頼もしく思う。私はこの会社に入社して2年経つが、まだ先輩の背中を追うことに必死だ。私と同じ境遇の方もいると思う。時には失敗をして落ち込む日もあるが、つらいことがあったときには好きなものを食べよう。ラーメンはいいものだ。

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