東海科学機器協会の会報

No.318 2007 冬号

[ 会員だより ] 人生の三つの岐路

(株)伸栄科学
代表取締役 古田伸二


07_02
人生には一生の内に3回の分かれ路があると、よく聞かされていました。私にも思えば3回あったような気がしますのでここに紹介いたします。

1回目

学校を卒業、就職し6ヶ月頃、東京の大都会の会社の寮に一人で居るときの寂しさや、人ごみの喧騒の中で埋もれてしまう不安で会社を辞めたいと思っていた頃、前年受験をして合格していた官庁より再度入庁の確認が実家にあったのですが、実家の父が私に知らせることなく断ってしまった。もし、私の知る所であったならおそらく県庁に入り、今では公務員となり定年を迎えている頃と思われること。

2回目

前の会社が倒産して友人と二人で会社を興したものの、給与が3ヶ月程払うことが出来ず、当時結婚して長男が産まれたばかり。やむなく離脱したもののその会社は今では社員250名の中堅に成長しています。もし、もう少し我慢が出来ていたならば役員にはなっていたと思われること。

3回目

その後、知人の紹介により社員150名程の会社に入り15年勤めた春、1回目の不渡りを出し、地元の名門企業によって資金援助をしてもらって現在は当時よりも立派に存続しているのですが、当時社長も変わり自分も外様になったような気分となり、退社すると同時に独立をしました。そのときは金もなく、また高校、大学と受験を控えた二人の息子がいて、初めて夢中に仕事をしたことを思い出します。毎日飛び込みセールスばかりで新しい得意先を開拓してきました。今思えばこれが3回目の岐路であった気がします。

来年で創立20年を迎える我が社ですが、前の会社からこの科学業界に居たわけでなく、歴史、伝統もなく、業界の中での指導を受けるわけでもなく、我流で20年間走ってきたわけです。どうかこれからもご指導をよろしくお願い申し上げます。