東海科学機器協会の会報

No.288 2001 冬号

[ 第40回TKK野球大会レポート ] 準優勝 期待を裏切る好プレー、TKK野球の醍醐味。

(株)島津製作所名古屋支店 野球部 青木治義


6-15 プロ野球の楽しさは正確で華麗なプレーと、試合の流れを決定づけるミス・アクシデントである。TKK野球の楽しさはこのアクシデントが多く含まれ、流れが右へ左へと変わること。「期待を裏切る」良い意味でも悪い意味でも予定通りがなく、ドラマをつくっていく。ノーアウトランナーなしの状態から、平気で3点 4点が入ってしまう。
 しかし、プレーしている本人はプロ野球選手より真剣である。仕事の上では百戦練磨の人たちが集まる大会である。通常の業務ではどんな困難にもある程度対応できる能力を身につけて、集中力がなくてもある程度対処できる力を身につけているが、野球となったら専門外である。ゴロが転がるたびに、フライが上がるたびにグランド上のそれぞれの選手に「ドキドキドキ」と鼓動が鳴り始める。グラブに収まった時、本人も周囲も喜びをかみしめる。落とした時もTKKの野球という意味で期待を裏切らない。ドラマの始まりである。たまに出る好プレーにはみな感動する。これも期待を裏切るTKK野球の良いところだろう。良いプレーが出た時はまだまだ若いなと自画自賛し、失敗をした時はもう少し若かったら……と言い訳をし、それぞれが一つひとつのプレーに感情を持ち楽しんでいる。
なんと言ってもTKK野球の楽しさは、ビールがあって完結する。もちろんつまみはTKK野球の醍醐味である「期待を裏切るプレー」についてである。真剣な言い訳とジョークが飛び交う。慣れない緊張から開放され、会社の仲間と会社人に戻る前の楽しさを共有できる瞬間である。