東海科学機器協会の会報

No.343 2012 冬号

ひたむきさを力に

理科研㈱野球部 主将 河嶋 力

 このたびは第51回TKK野球大会において弊社史上21年ぶり2回目の優勝を飾ることができました。これもひとえに大会役員ならびに運営委員会の方々の御尽力があったからこそと心から感謝いたしております。
 私は3年前から理科研野球部の主将を務めさせていただいており今大会は通算12回目の出場でした。
 振り返ると勝ち運と実力を兼ね備える難しさを何年も味わいました。また野球の恐さ、野球の厳しさも何度も体感しました。特に昨年の初戦では自分のエラーが敗因となりチームも普段の実力を全く出せずマイセックさんに6-3で初戦敗退。度重なる敗戦の責任からチームや会社に対して本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。試合後の帰り道では一人になった時に本気で退部も考えました。しかし悔しい思いを重ねた事で「このままで終わっていいのか、絶対に優勝したい」という気持ちが段々と強くなっていました。チーム内はもちろん社内にも「是非とも優勝を」という気運が大きくなってきました。また弊社野球部は活動に対し会社から御支援をいただいていおり、そういったサポートいただいている方々の為に「何としても優勝旗で恩返しを」と固く心に誓いました。会社あっての野球部ですので野球をやらせていただいている事にこれからもより感謝すべきと思っております。
 今大会で私が印象に残った事を述べさせていただきます。理科研野球部は毎年15試合くらいの公式戦(リーグ戦、トーナメント戦、TKK)と練習を5回ほどこなします。活動するには野球道具を用意し球場まで車で運ばなければなりません。私が何事も一番率先して色々な用意をやるのは当たり前な事ですが一人では全て出来ない時もありました。そんな時、馬場幸一選手と柏真二選手が心よく手伝ってくれました。私は主将という立場上チームが勝つ為に、また向上させる為に選手に厳しい事も言いますので自身孤独感もありました。そんな中彼らの行動が励みになりました。馬場選手は「バットやボールは俺が運ぶから試合に集中してください、今日はランナーコーチをやるから若い選手を出してあげてくだい」控えめだけどムードメーカー。「勝つ為にはそういう役が必要」考えは同じでした。ひたむきな気持ちとチームに寄与する献身的な姿に何度も救われました。私はよく「自分のチームなんだから」という言葉を口にして協力の大事さを言ってきましたが彼らの普段の働きがきっかけで本大会では先輩選手や若手も道具運びを率先するようになりました。
「チームの為に」という気持ちがチーム内に広がったことで良い結果に繋がったと思います。
 佐藤優三塁手は連戦の疲れから右脚を肉離れするというケガを決勝戦前にかかえていました。その影響もあって決勝戦の序盤では悪送球が出て相手に勝ち越しを許してしまいました。彼に「脚は大丈夫か?」と聞いたところ「あれはケガは関係ない、僕の技術の問題です」口数は少なく自分にきびしい。チーム1のガッツマンのこの一言でグランドに立つ人間のあるべき姿をチームに示してくれました。これでもう一度チームに気合いが入りました。常に、ひたむきに野球に取り組まなければならないとを再認識しました。
 最後に優勝した事で東海科学機器協会、会社や多くの関係者の方々に御祝いのお言葉をいただきました。心から御礼申し上げます。