東海科学機器協会の会報

No.359 2016 夏号

かきゃああんたも 戦国残照

新光電子㈱ 名古屋営業所 板橋 徹

17_1 小学校時代の恩師とその当時放送されていたNHKの大河ドラマ『徳川家康』の影響を受け、長い間戦国時代の歴史に興味を持って参りました。学生時代には悪友たちと徹夜までして傑作歴史ゲーム『信長の野望』に没頭し、バーチャルな世界で天下統一に鎬を削っていた時期もありました。

 そんな生粋の戦国オタクの自分ですが、2年前に生まれ故郷、仙台から尾張名古屋への単身赴任を拝命した際に真っ先に思い浮かんだことは、「好きなだけ城や名所・旧跡巡りが出来る!」ということでした。

 実際に日頃の営業活動で愛知県内を回ると、やはり戦国時代の中心地の名に違わず、出るわ出るわの城・名所・旧跡の数々!名古屋市内の中心に聳え立つ誉れ高い名古屋城は言うに及ばず、西には清洲城、北には小牧山城、東には岡崎城、南には桶狭間古戦場等々、マニアには垂涎の的に溢れ、笑いが止まりません。

 実際に現場を訪れ、頭の中で400年以上前に思いを馳せると、出陣前に敦盛を舞う信長公、山上に翻る家康公の『厭離穢土 欣求浄土』の旗印と金扇の馬印、それを目にして地団駄を踏む羽柴筑前守時代の秀吉公の御姿などなどを妄想してしまいます。

 中部地方の他の場所にも、是非訪れてみたい場所は沢山あります。戦国の梟雄斎藤山城入道が礎を築いた下克上の象徴である美濃の稲葉山城(岐阜城)。設楽原での大合戦の前哨戦となり、奥平家興隆と『戦国のメロス』鳥居強右衛門の美談の舞台となった東三河の長篠城。今川治部大輔の忠臣であり数奇な運命を辿った岡部元信が、壮絶な最期を遂げた遠江の高天神城。望みを挙げたらきりがありません。この中部地方で仕事が出来る限り色々な場所を訪れて、この国の歴史の豊穣さを堪能したいと思っております。

17_2 最後に、我等が名古屋営業所の現況を信長公の事績に例えると、四苦八苦の思いで蝮の孫、斎藤龍興を追放し美濃を支配下に置いた1567年に似ているでしょうか?目の上の瘤にけりをつけ、2016年の今期は大きなターニングポイントを迎えております。

 自堕落な個人としては、岐阜と改名した山上の大楼閣で安逸を貪りたい気持ちに満ちています。 しかし、責任者としては信長公の苛烈な生涯に肖って、明日は伊勢の北畠攻略!明後日は飛騨の姉小路と同盟!明後日は遠江に侵攻した信玄入道を阻止する為に援軍!といった感じで、優秀で覇気に溢れた家臣と共に奮闘しましょうか?『天下布武』の名の下に…。