東海科学機器協会の会報

No.359 2016 夏号

かきゃああんたも 男のリトマス試験紙

㈱伸栄科学 松澤 祥

16 最高のアクション映画俳優、シルヴェスター・スタローン。1970年にデビューしてから現在まで様々な映画に出演し、今なおハリウッドの第一線に君臨する最高のアクションスター。
 題名を見て、すぐにピンと来た方は彼のファン(もしくは木曜洋画劇場好き)かと思います。
かつてテレビ東京系列で放送されていた映画番組『木曜洋画劇場』、その番組のCMでスタローンは「男の教科書(追撃者)」や「男のカーナビ(ドリヴン)」、そして題名にある「男のリトマス試験紙(コブラ)」などと銘打たれていました。

 スタローンの代表的な出演作といえば「ロッキー」や「ランボー」など、どれも筋肉に物を言わせる作品ばかりです。不屈の精神と、その見事なまでに鍛え上げた肉体で繰り広げられるキレのある激しいアクションに魅了された方も少なくはないでしょう。

 また、脚本から監督までこなし、どの時代でもヒット作を生み出す映画作りに対する情熱は、とても素晴らしいと思います。
 代表作の一つであるランボーシリーズでは主人公のジョン・ランボーを演じていました。
本シリーズは現在4作品あり、2作目以降の作風から「ランボー=筋肉モリモリマッチョマンが悪党をバッタバッタと倒して行く痛快アクション映画」というイメージをもたれがちです。しかし1作目、本来のランボーはそんなイメージとは異なり、ベトナム戦争で心に傷を負い、帰国後は冷遇され就職先もなく孤独と無理解に苦しみ、体型は痩せて陰鬱な表情をした青年でした。そんな暗く悲しいアメリカと、後遺症に苦しむベトナム帰還兵の悲哀を物語の軸に、反戦映画として作られた作品・・・それがランボーなのです。

 またロッキーシリーズでは主人公のロッキー・バルボアを演じています。
当時、全くの無名俳優だったスタローン自らが、たったの3日でこの作品の脚本を書き上げたというのは有名な話です。こちらも続編の影響でスポコン映画というイメージをもたれがちですが、実は1作目は完全なヒューマンドラマなのです。

本業のボクシングだけでは生活できず、素質はあるのにこれといった努力もせず、マフィアの手先のような仕事で、はした金を稼いではいるものの、根は優しくまじめ故に本当のマフィアにもなりきれず・・・というすべてが中途半端なロッキーが自分の人生にケリをつける。映画史上最も観る者に影響を与えた映画の一つなのではないでしょうか。

 御年69歳の今なお衰えることのない肉体美とアクション。常に先を見据え新たなことに挑戦をしていくその姿は、ロッキー・ザ・ファイナルで「どんなに強く打ちのめされても・・・こらえて前に進み続けること」を信念とし「心は歳をとらない」ことを証明してみせたロッキーそのものです。

 現代人の多くは、人生の半分を仕事に費やすといっても過言ではありません。せっかくなら彼のように、人生の半分を費やすに値する情熱的で成長出来る仕事をして行きたいものです。