東海科学機器協会の会報

No.362 2017 春号

かきゃあ あんたも 健康でいられること、 今だから思えること

㈱東海試験機製作所 営業部 樋口 哲哉

 昨年の2月、私の母に大腸ガンが発見され手術をしました。幸い早期の発見であったことと、他臓器への浸潤がなかったことから、腫瘍部分は切除摘出できて無事退院いたしました。その後通院はしておりますが、約1年経過しても術後は順調のようです。

 もともと母の家系はガンで亡くなっている方が多く、かくいう私もどちらかといえば母の遺伝子を多く受け継いでいそうなので、『ガンで死ぬのかなあ』と漠然と感じていたところがあります。ただ、母のガンを聞いた時には、言葉ではうまく表現できないような動揺と感情を覚えました。『もしかしたら』と思うと、自分が子供のころに音楽を教えてもらっていたことや、仕事帰りで疲れていただろう状況でも勉強を教えてくれたり、日々の家事に追われていたことを思い出しては目頭が熱くなることもしばしばありました。火の国の出身なだけあってか、普段は弱い部分を見せることもほとんどない母でしたが、ガンを告知された直後はさすがに気弱になっていました。今までに見たことのない表情や感情をする母を目の当たりにし、これまで感謝の言葉を伝えたこともないことを後悔し、今自分ができる限りのことはしようと思ったものです。

 私自身、母に大きな心配をさせるようなことも、ケガや病気などになったこともなかったように思いますが、これまでの人生において、母の期待に応えられてきたのか自責の念にかられています。今となってはどうしようもないことではありますが、せめて事故や病気で母より先に・・・ということはないように努力したいと思います。

 皆様も健康診断などは実施されていると思いますが、もし実施されていない方などおられましたら受診をお考え下さい。ご自分の、そしてご家族の今後を考える良い機会になると思います。

 先日、私の母と同じ時期に同じ大腸ガンが発見された知人がお亡くなりになりました。ろくにお礼を伝えることもできないままのお別れとなってしまい、とても残念でなりません。
 今現在、健康でいられることに感謝。もう1度自分の体を見直すことも必要だなと改めて思います。