東海科学機器協会の会報

No.377 2021 新年号

かきゃあ あんたも 新幹線と古い井戸

株式会社三商 名古屋営業所所長(代表取締役社長と兼務) 小寺 雅士

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 JR東海の中心路線の東海道山陽新幹線。今年は写真にあるフルモデルチェンジ車両の
N700Sが新製投入されています。私は現在、名古屋での仕事も兼務させて頂いているので、東海
道新幹線に乗車する機会も非常に多くなっています。あまり興味のない方にはどれも同じように
見える新幹線の車両です。しかし現状ではN700(スモール)A、N700(ラージ)A、そして最新鋭の
N700Sの3種類があり、それぞれに特徴があります。さらにJR東海とJR西日本の車両には微妙
な差異があり興味深いものになります。
 今回はその東海道山陽新幹線に乗って広島で下車した際に興味を引いた事をお伝えします。
JR広島駅近くの広島電鉄が走る道路の脇に、手押しの古い井戸が以前からありました。今は使わ
れてはいないようです。いつも花が手向けられており絶えたことはないように記憶しています。恐
らく以前の記憶をとどめるために大切に保存しているのだと思います。現在その井戸は年月を重ねたこともあり、少しずつ壊れてきてしまっていま
す。ところが最近その井戸に「被爆ポンプです残してください」というメッセージが掛けられるよう
になりました。被爆、戦後から75年、人々に大切にされながらも少しずつ朽ちてしまう現実を目
の当たりにして、以前、現在、将来を想うようにもなります。
 いま世界中で新型コロナウイルスが猛威をふ
るい、色々な面で動きづらい環境です。新幹線は本数が減りながらも通常通り運行され名古屋、広
島へは行けますが、今まで通りというわけにはいかない状態です。そのような中で苦しいことも乗
り越えるのを見ている証人となり得る、手押し井戸を新幹線の話とあわせて紹介させて頂きました。

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