東海科学機器協会の会報

No.377 2021 新年号

かきゃあ あんたも 陰陽五行論

三弘エマテック株式会社 伊藤 裕介

 「陰陽五行」というものに興味を持ち、月に1回セミナーに通って勉強を始めた。誘ってもらった
のがきっかけだが、最初は宗教染みていて敬遠していたのだが、理解を深めていくにつれて、「陰陽
五行」によって改めて自分を知れることやライフサイクルを知ることができ、とっても奥が深くて面
白いことに気づいた。
 「陰陽五行」という言葉は聞いたことがあるけれど、どのようなものかを具体的に説明できる人
はあまりいないのではないだろうか。しかし説明できなくとも、私たちの文化や思想に大きな影響
を与えているのは間違いない。現在でも、水引き、漢方などのアイテムや、七五三などの伝統行事の
背景に陰陽五行の影響が強く残っている。
 また、時間を表す十二支や空間を表す十干(甲乙丙・・・)を元にした還暦などの考え方も「陰陽
五行」に基づいている。実生活においては、夏土用の丑の日にウナギを食べるという日本の独自
な風習は、暑気を払うために栄養価の高いものを食べるという意味もあるが、起源は陰陽五行で
ある。11月15日に行う「七五三」も、「7・5・3」の年齢の根拠は陰陽説の陽の奇数にあり、旧暦
の11月15日は陰陽道の考え方で何事をするにも吉の日とされているためで、千歳飴の形や、袋
に書かれている絵柄も陰陽五行思想にのっとって決められているそうだ。

 「陰陽五行」とは、紀元前の中国の春秋戦国時代に生まれた自然哲学の思想で、この思想に基
づいて考えることで、森羅万象、つまり宇宙に存在するすべてのものを説明できるとされる。今話
題の映画「鬼滅の刃」にも、「陰陽五行」が登場している。子供が普通に友達と「癸(みずのと)はさぁ…」とか言ってるのを聞いて「おぉ~」となった次第。私は「陰陽五行」を学ぶまでは、正直「甲乙丙丁」しかハッキリとは言えなかった。しかし、
子供は「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」と普通に言ってる。ここに関しては、子供の方が知っている範囲
が広かった。
 このように社会人生活の中においても、意外と
身近なものなので教養として知っておくのもいいのではないだろうか。
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