東海科学機器協会の会報

No.379 2021 夏号

かきゃあ あんたも 遠いようで近い

タイテック株式会社 名古屋TSC 旭野 成優

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 昨年の秋に妻の親族の法事があり、その食事の席での会話がきっかけとなり11月末に和歌山の那智勝浦へ行きました。というのも、親族の一人がその地域の出身であり、両親が居なくなった今でも年に数回帰省して休暇を楽しんでいるというのです。
 さらに話を聞いてみると、家の目の前に太平洋が広がっており、夜になると眠っている魚を網で捕まえられると言うのです。私は海のない岐阜県の出身で、最近釣りをするようになったのですが行くところといえば、南知多か武豊の発電所近く、ちょっと頑張って静岡へ行くこともありますが、魚を網で捕まえるなんて話は聞いたことがありませんでした。その場でこれは行くしかないという話になり、ひと月も経たないうちに出掛けていました。
 三重の紀北町へ入ると眼前に海が広がっており、愛知ではあまり見ないくらい大きな波飛沫が上がっていました。家を出てから4時間掛からな
いくらいで那智勝浦へ到着し、すぐに親族から聞いていた狙い目のスポットで釣り始めました。やはり海水が透き通っていて魚影を目で捉えることが出来、魚のアタリも多い。釣れるのはカサゴが多かったですが、帰宅後捌いてみると身が真っ白で臭みがまったくなくとても美味しかったです。
 釣り以外にも驚くことが多く、路上でマグロの無人販売があったりします。そして那智勝浦の周りには本当に多くの自然があります。法事の際に親族に動画を見せてもらったのですが、朝起きると隣の空き地に隼(ハヤブサ)が留まっていたそうです。興奮した子供がパジャマのまま大きな虫取り網を持って隼に近づき、意を決して網を振りかぶると、見事に隼が網に入ってしまったのです。とはいえ飼うわけにはいかず逃がしたそうですが、こんな嘘のような話を私たちも味わったみたいものです。。
 因みに尾鷲からは高速道路が無料になっており、人を呼ぶためにそうしているようですが、採算度返しで成り立つのかこちらが不安になるほどでした。ただし我が家は既に和歌山の虜になってしまいましたので、有料になったとしても毎年の和歌山通いはやめられそうにありません。皆さんも是非足を運んでみてはいかがでしょうか、意外と近いですよ。