東海科学機器協会の会報

No.311 2006 夏号

[ 会員だより ] Like“The Rolling Stones”

石福金属興業(株)加賀美 功


14_016いつの間にか単車に乗らなくなった。マンガも読まなくなった。若い頃に楽しいと思ったり好きだった事でも、いつの間にか止めてしまったということは多々あると思う。それでも、未だに止められず好きでいられるものが本当に好きなものなのだろう。

私にとってそれがローリングストーンズである。

ローリングストーンズは1962年にロンドンで結成したロックバンドで、平均年齢60歳を越えた今でも現役で活動をしている。彼らの曲に初めて衝撃を受けたのは中学2年生のころで、ふたつ上の兄の影響で小学校6年からラジオの深夜放送やFMを聞くようになり、その時に洋楽も聞くようになったが最初はビートルズやサイモンとガーファンクルであった。そんなある日ラジオから流れてきたのが「サティスファクション」でそれまで聞いていた洋楽が甘っちょろく感じてしまったのだ。決して上手くなく荒々しい演奏と歌で最初は汚さすら感じたが、すぐにかっこよく思えるようになった。その後レコード屋に行き、彼らのレコードを見てビートルズなどと違う不良っぽさを感じてのめり込んでしまったのである。

 それから30年弱いろんな邦楽・洋楽を聞いてきたが、今でも「誰の音楽が好きか」と問われると「ローリングストーンズ」と即答している。最近その理由を自分なりに考えてみたが、そのひとつは、今でも継続して現役(現役とは楽曲の質と人気が衰えていないという意味)である事だと思う。16年前、初来日に際し雑誌で彼らの特集が組まれ、インタビュー記事が載っていたが、その中で「全盛期の威光で食っているのだろう」という質問に対し彼らは「いつでも今が俺らの全盛期なんだぜ!」と答えていた。私は思わず鳥肌が立った。その当時、彼らは40代後半であったがステージでの動きは、その頃人気が出だしたガンズアンドローゼスとさほど変わらないと感じた。かつて彼らは不良のイメージを持たれ、自らもそれを実践していた面があり、ドラッグに関わる話も尽きなかった。その為、33年前の初来日が中止になったのである。だが、きっと彼ら自身ある時「このままではダメになってしまう」「好きなロックがやれなくなってしまう」と感じたのであろう。

ボーカルのミック・ジャガーはジョギングを欠かさないそうだし、ギターのキースリチャーズは70年代後半に大掛かりな治療をしたらしい。いろんなバンドが生まれては消えてゆく世界で、彼らも紆余曲折をへながら今でも現役でいてくれていることは感謝すら感じる。今年彼らは、5回目の来日を果たした。また彼らに会えると思うと今からワクワクしてしまっている。この42歳の中年男がである。実はこの文章を書いているのが、名古屋公演の前日なのでその影響もあるが。でも、私は今でも「ローリングストーズが好きだ」と言える自分が嫌いではない。サラリーマンであり営業職の私は、当然彼らにはなれないが、気持ちはいつでも彼らのようにありたいと思っているからである。

まさに Like“The Rolling Stones”である。