東海科学機器協会の会報

No.324 2009 新年号

[ TOPICS ] JET30周年記念旅行 タイ海外研修の報告

東海科学機器協会二世会 中村 望


 

 JET30周年の企業視察は、11月20日(木)~24日(月)の日程でタイのバンコクへ行ってまいりました。参加者は9名でした。政情不安の報道もありビクビクしておりましたが、いざ入国すると特に変わった様子もなく、現地の人もデモなどは見た事ないと云っている位でした。(さすがにこれはタイのジョークなんだと帰ってきてわかった事です。)
 11月20日(木)セントレア発24時30分の便にて、タイに出発しました。夜便という事もあり、空港は伽藍としているのに飛行機待ちの所はラッシュ状態でこれはすごい旅になるぞと予感しました。現地時間の午前五時に無事バンコクに到着しました。スワンナプーム空港は、セントレアとは比較にならない位大きな空港で、降りてから延々、動く歩道をひたすら歩き「もういいだろうお茶でもしようよ」という矢先にやっと出口に着きました。きっとこれも修行なんだなとタイに来た事を実感しました。やはり暑い、現地ではすぐ半袖になりました。
 現地案内役兼ドライバーのマノーさんと会い、世界遺産であるアユタヤ遺跡の見学に向かいました。アユタヤ遺跡は、王の墓跡です。近隣に石がないそうで、墓はレンガと米粉を練った漆喰でできているそうです。昔は表面が金箔で覆われていたとの事ですが、現在はすべて剥げ落ち、当時の壮麗な姿は想像する他ありませんでした。タイの人は基本的に墓を持たないそうでマノーさんは「死んだらまかれて終わりね~」と明るく言ってました。
 昼ご飯に山盛りの海老とトムヤンクンを食べました。トムヤンとは甘すっぱ辛いという意味で、とても辛くいきなり先制パンチをくらいました。一口で汗がだらだら止まらなくなり、水を何本も飲んでしまいました。水には気をつけろと言われていたのに、もうそんな事は言ってられない状態。一応辛さは抑えてありますとの事ですが、充分ムエタイを見る前にノックダウンしました。
123  視察先はDAIWA KASEI(THAILAND)CO;LTD.です。岡崎にある会社の現地法人で自動車部品を組立、加工、出荷している工場を見学させてもらいました。甲村マネージングデレクターにタイで会社を運営するにあたり、コミュニケーションのとり方や苦労した点などを話して頂きました。現地の人は、知らない事は恥と思っているので何でも知っていると言い、それを信じて任せてしまうと間違ってしまう、悪いことは悪いと言うのはいけないらしく、仲間はずれにされたと言い出すとか…。地球温暖化により5年で40cm地盤沈下してしまう話にも驚きました。
意見の交換もでき、有意義な視察となりました。
 大抵の土産物や観光地の周辺にはしつこい物売りが多く、貧富の差も大きい事を感じさせられました。タイの物価は安いのですが日本と同じ感覚で生活していると同じ位のお金がかかります。バンコクの中心地はモノレールBTSと地下鉄が走っていて急ぐ場合はこれを使わないと、とんでもない事になります。車の量が大変多く、車がぎゅうぎゅう詰めになって信号で30分待つ事は普通で、4時位には着くはずが5時になったり。まだそれも良い方らしい。
 タイと謂えば古式マッサージが有名でワットポー寺院にはマッサージ専門学校があり、ほとんどのマッサージ師はここ出身で勉強した技術を使っています。…がしかし、最終的な先生となると何百年も前の壁画で、建物いっぱいに秘術やら格好やら化け物のようなものまで書かれていました。
 ワットポーはアユタヤと対照的でどこまで金色なんだと謂わんばかりに金箔が敷詰められ目がチカチカする程でした。所々でヨーガをしてる人や祈っている人がいて、ほとんどの人、犬猫までも急いではなく、スピードは出すが止まっても怒る事無く、陽気で本当に心が洗われる、いい旅でした。
 大きなトラブルもなく無事に旅を終えることができました事を、出会った皆様にサワディーカップ。