東海科学機器協会の会報

No.324 2009 新年号

[ 会員だより ] 私の趣味、「読書」

㈱ニッカトー 片嶋一郎


 

95 ㈱ニッカトーの片嶋です。今回は私の趣味の紹介ということで、筆を取らせて頂きます。
 私の趣味は「読書」です。いわゆる乱読というやつで何でも読みますが、今回はTKK会報誌でのご紹介ということで、SF(サイエンスフィクション)に関して書かせていただきます。(ちょっと無理のあるこじつけですが。)
 宇宙船、ロボット、光線銃、異星人。そう、あのSFです。まともな読み物とは思えないと良識ある人たちの冷たい視線を浴びた時代もありましたが、最近は映画やアニメのおかげで、少しは大きな声で、「SFが好きです」といえるようになりました。「2001年宇宙の旅」「猿の惑星」「スターウォーズ」等々。アニメでは「ガンダム」も、ミノフスキー粒子なんぞという妖しげなニセ科学を使った立派なSFですね。
 SFのはじまりは、19世紀後半、イギリスのウェルズの「宇宙戦争」(あのタコ型の火星人がロンドンを襲うというあれです)、フランスのヴェルヌの「月旅行」「海底2万マイル」あたりからです。
これらは、文学全集などにも入っていて、皆さんも名前ぐらいはご存知かと思います。
 1912年には、アメリカでバローズの「火星シリーズ」が発表されます。南北戦争が終わった時、南軍騎兵隊大尉のジョン・カーターが、なぜか火星に呼び寄せられ、そこで出逢った絶世の
美女とのロマンスあり、敵対する火星種族との戦争、火星の奇怪な生物相手の冒険有りという、ハラハラドキドキの小説です。
 1930年代に入れば、ハミルトンの「キャプテンフューチャー」。若き天才科学者カーティス・ニュートンが、月の地下の秘密基地から宇宙船コメットを操り、怪力ロボット・グラッグ、なんにでも変身できる合成アンドロイド・オットー、脳だけを特殊ケースに収めた、生きている脳・サイモンライトの3人の仲間たちと、宇宙せましと悪人たちを退治していくというお話。地底世界ペルシダー、レンズマンシリーズ等々、実に楽しい話がいっぱいです。
 現実の科学の進歩で、火星にも探査機が降りる時代。いま火星人の登場するSFを書く人はいませんが最近のSFは、無理やりに超高速航法を創り出し、もっと変わった環境、異星人を登場させています。中性子でできた高重力の星にすむナメクジのような異星人なんてすごいと思いませんか。常に現実の少し先を想像しながらワクワク、どきどきするSF。決して、高邁な人格を育てたり、教養を深める役にはたちませんが、この驚きを味わうために、本屋さんに行って見ませんか。文庫本のコーナーで、「ハヤカワ文庫」「創元社文庫」を見ていただければ、この手の本がたくさん並んでいますよ。