東海科学機器協会の会報

No.333 2010 冬号

〔TOPICS〕名古屋市技能功労者表彰を頂いて

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朝日テクニグラス㈱ 取締役工場長 市橋実夫

 理化硝子製品を作るには、基本となるガラス管の切断、曲管の加工、直管、異径管の繋ぎ加工、T字管、Y字管の繋ぎ加工など色々あります。
 一つの製品には、これらの加工が組み合わさって簡単なものなら5年ほど、一人前になるなら10年程の経験が必要と言います。
 仕上がった製品は、ガス加工から生じたガラスの熱歪みを除くため、530~550℃に熱した電気炉の中に入れ、その後ゆっくり自然放冷します。社内ではこの処理を[冷まし]とか「除冷」と言います。熱処理されていない物や、不十分な除冷のものは歪みが残留して後刻トラブルの原因になります。
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 10L、20Lなどのフラスコの加工や、肉厚のガラス管を使用した加工などは、強い歪みが発生するため、ガス加工完了と同時に即刻電気炉にいれて除冷します。このような過程を経て理化学硝子製品は一品ずつ丁寧につくられています。
 この度、TKKのご配慮により「名古屋市技能功労者表彰」の栄に浴した機会に、私達の仕事を少しでも理解していただきたいため、一文にいたしました。40年以上にわたりこの仕事に携わってきましたが、これからも理化学硝子製造を礎に、社会に役立つ仕事を真摯に続けていきたいと思います。


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名古屋市技能功労者表彰とは


S57.1.13 名古屋市技能職団体連合会が衣食住生活などに関わる市民生活のあらゆる分野で活躍する技能職者の技能を継承していくことを目的として名古屋市がこれをバックアップし表彰していくこととしたものです。現在52職種以上の技能職者を勤労感謝の日に表彰しています。本年も鶴舞の名古屋市勤労会館にて河村市長が表彰を行いました。

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