東海科学機器協会の会報

No.284 2001 1月号

21世紀の新年にあたり

東海科学機器協会 理事 柿坂嘉則(株式会社島津製作所名古屋支社)


 あけましておめでとうございます。
私事ですが5年ぶりに家族揃って日本の新年を迎えることができ、元旦の厳粛な雰囲気を久々に味わえることを喜びとしております。今年は特に21世紀の始まりということで、感慨深いものがあります。
 私は20世紀は急激に科学技術が実を結んだ時代であったと思います。人類が宇宙に行くことが可能になったことが、もっとも画期的な出来事であったであろうと思います。今までこんなことが出来たらと思っていたことが次々と現実化されてきており、そんな流れで科学技術が進化するとこれからの地球はどのようになるのか。果 たして人類が欲しているものがすべて現実のものになるような錯覚に陥っても仕方のないことだと思います。
 21世紀は、ではどんな時代になるのか?私にはよくわかりませんが、人間そのものがもっともっと科学技術の進化に振り回されないようなしっかりとした思想、哲学を持たなければならない世紀であろうと思います。どのようにしたら人類は幸せになれるか、その手段のひとつとして科学技術の進化はどうあらねばならないのか、本当に真剣に考えていかねばならない時代であると思います。
 そんなことを新世紀の新年にあたり考えてみたいと思っております。