東海科学機器協会の会報

No.284 2001 1月号

新年に当たって

東海科学機器協会 副理事長 八神 基(株式会社ヤガミ)


 あけましておめでとうございます。
 この新春、新ミレニアム(千年紀)が始まる21世紀の幕開けに当たり、皆様におかれましては感慨も一入のことと存じます。
 もう10年以上も前から、20世紀の諸々の旧態を一新できると期待されてきた21世紀の到来ですが、マスコミの喧伝を除けば結局の所、普段の正月が来ただけで新しい風を求めたあの気持ちは裏切られた感があります。
 もっとも個人の心の内に湧き上がる正月特有の“今年こそ”の気概は大切にしたいものです。
 「初空の天翔け描く巳の字かな」 基
 元旦の朝、抜けるような青空を仰いでいると、今年こそ大きく飛翔して悔いのない一年をという願いが飛行機雲となるような気持ちを歌った句です。
 さて、今年の干支での動物はヘビです。十二支それぞれに当てられた動物の中で漢字そのものが動物を表現しているものはこの「巳」だけです。子も丑も巳以外は十二支としての意味しか持っていません。
 巳=蛇を使った言葉を掲げてみると、身近な所では水道の蛇口、蛇の目傘、蛇腹式カメラ、川の蛇行、蛇紋石……。ことわざでは、蛇足、藪蛇、蛇の道は蛇、蛇の生殺し、盲蛇におじず、など良い方には使われないようです。
 そういえば子供の頃、巳と已と己の区別を憶えさせるのにこんな唄がありましたね。
 「巳(み)巳(し)は上、已(やむ)・已(い)は已(すで)に中ばなり、己(おのれ) 己(つちのと) 己(こ)己(き)下につく」
 さあ今年も、今年こそ、しっかり仕事をして社業の向上と業界の発展のために力を合わせて頑張りましょう。