東海科学機器協会の会報

No.302 2004 秋号

[ かきゃ~あんたも ] 環境ISO14001を取得して思うこと  

kakyah11環境ISO14001を取得して思うこと

(株)三弘 ISO管理責任者 西山隆久


 
(大変でした)
 何が大変でしたかというと、個人の仕事と審査期間が重なった事でした。ISO14001登録審査の(H16.2月)前に管理部の仕事が目白押しで、前年の11月から、決算、ISO9001定期審査、賞与査定、年末調整、ISO14001ファーストステージ審査、その他諸々がこの2ヶ月に集中して、この時ばかりはさすがにスケジュ-ルをこなすことが出来ないかもしれないと思ったほどで、或る意味「腹をくくって」黙々と進めていました。

(商社としての環境ISOは何でしょうか)
 ISO14001はご承知の通り、企業環境に始まって地域環境から地球環境に至るまで、事業活動において生ずる様々な環境負荷を、削減又は無くすことにより地球環境を改善することが大きな目的であります。このため、当社のような商社は「モノは作っていない、排水はない、排ガスもない」のないないづくしで、別の捉え方をすれば環境に優しい企業かもしれません。こういう商社が「紙、ゴミ、電気」の3種の環境側面だけではとても継続は出来ないなと当初から考えておりました。
そこで「売り上げを伸ばすことが地球環境に貢献できることは何か」を考え、[環境改善に寄与出来る商品の拡販」を目標にしました。

(ISOは何のため)
 一方、ISOはこれでいいのか思うこともあります。それは維持していくために大変な労力とコストと時間がかかるということです。定期的な審査のために膨大な記録を残したりしますが、環境ISOであれば、環境負荷を少なくするためにエネルギ-や資源を減らさなければならないのに、現実は相当量増加させる結果になっています。まるで定期審査のためのISOみたいですね。
 今は出来るだけ電子媒体を使用していますが、限界はあります。認証企業の多くは、「顧客や取引先が取得したから」とか「業界の指導があって」とか「官庁の入札条件にあるから」というような外部的要因による理由が一番多いのだそうです。しかし、本来はお客様の要求事項を満たす、または地球環境を守るというのが品質ISOと環境ISOの本質の目的ですよね。

(これからのISO)
 反面、収益性をあげるISOの構築を目指したいと思っております。それにはもっと簡素化したISOをつくって、簡素化した行動のもと、ムダをなくす、エネルギ-の効率化をはかる、資源や廃棄のロスを減らす、ということの目的のために本格的に活動すればコストダウンにつながるでしょう。