東海科学機器協会の会報

No.334 2011新年号

〔年頭所感2011〕 2011年新年にあたり

東海科学機器協会理事
宮木 康光 株式会社栄屋理化


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 会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。
 昨年は、政権交代は何だったのかと思わせる出来事ばかりでした。沖縄米軍基地問題・総理交代・尖閣列島問題等初心者マークにしてもひどいと思う人は私だけでしょうか。
  我々を取り巻く環境も事業仕分けの名のもとに科学技術関連予算が削減される傾向にあります。また、研究者・施設間の格差も広がり成果主義からくる偏りがみられてなりません。日本人が従来持っていたはずの心の優しさや思いやりは、どこに行ってしまったのでしょうか。あまりにも成果主義や能力主義に陥っていないでしょうか。
 ある冊子に「ありがとう」の本当の意味という記述がありました。その語源は「ありがたい=有難い」で「こんにちは=今日は」と同様に神に対する言葉でした。「有難い」は字の如く、有る(存在)ことが困難である、つまり有りえない、起こりえない、滅多にないことを意味しています。日本人は農耕民族として自然と共生してきており、太陽に関わる天候が暮らしに大きな影響を与えてきました。日照り続き、台風や大雨など、人間の力ではどうしようもない時に、恵みの雨が降ったり、晴天になると、「有難い」とその奇跡に感謝したのです。現在は、個人主義になりがちですが、人は様々なものにより生かされているのだということを忘れてはいけません。永続経営できる企業は、誠意がこもった「ありがとうございます」を言える社員創りが大切です。という記述がありました。ありがとうが素直に言える社会になるよう念願しております。本年もよろしくお願い申し上げます。