東海科学機器協会の会報

No.335 2011 春号

〔会員だより〕 2S(整理・整頓)のすすめ


2S(整理・整頓)のすすめ

壽工業㈱  鳥居 勝歳


 今から、数十年前『さくらさくらやよいのそらに…』のオルガンの音を遠くに聞きながら、小学校に入学しました。教室に入り、担任の先生から『みなさ~ん。今から、みなさんの机の中や、カバンの中の整理整頓をしましょうネ』『できた人は手をあげて下さ~い』
 新入生:『ハイ!、はぁ~い、ハァーイ』クラス全員の机、カバンの中はきれいに片づいていました。
 あれから40年…。6歳の頃は、ちゃんと出来ていた整理整頓が、今は部品や工具がバラバラで雑然と置かれている工場、それが私の職場でした。
 ある時、社長のすすめで工場長養成塾と言うトヨタ流現場改善講座を受講する機会を得ました。この講座の特徴として

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【少人数制】
講師1名に対し4名(4社)の1グループ編成
【現場重視】
4社の工場を3回ずつ訪問しての現場実践
【長丁場】
約半年、現場の他に大学でのゼミ48時間受講中は、カルチャーショックの連続で、けっこう落ち込んだのですが、過ぎてしまえば、その分、楽しい体験ではありました。

 この講座で学び、真っ先にやるべきこと、それは2S《整理・整頓》でした。2Sが出来てない工場がどんな改善活動をしても、決してうまくいかない。 では、2S《整理・整頓》って、どんなこと?

《整理とは》…1番目のS
要る物と要らない物に分け、要らない物を処分すること。
《整頓とは》…2番目のS
要る物の置場を決め、名称を表示し誰でもが使い易いように置くこと。

 2S…簡単なことなのに難しい。《捨てる》《場所を決めて置く》たった、これだけのことが想像以上に手間のかかることでした。
 それでも皆と何度も打合せを重ね、半年後には2Sによって、工場内風景の違いが判る程度になりました。 その結果、何が変わったのか。
 それは自分達の手で、自分達の職場がきれいになり、仕事がやり易くなったことです。そして今、この時の改善の一歩から更に上のステップを目指し、皆と一緒に頑張っているところです。

《整理・整頓》
トヨタ生産方式の原点は、小学校入学時の先生の言葉の中にあったのであろうか。