東海科学機器協会の会報

No.335 2011 春号

〔サイエンスコーナー〕 酸素濃度と酸素欠乏の危険性


【リレーでつなぐ×サイエンスコーナー】
各会員様は、それぞれ科学機器業界の一翼を担う、すばらしい商品をもっておられます。
そこから科学技術の側面を切り出し、情報提供するということで会員同士のコミニケーションも高めていきたい。
そこでお馴染みのサイエンスコーナーをリレー方式でつないで行きます!
サイエンスリレー第3回


酸素濃度と酸素欠乏の危険性

アズワン㈱ 奥田 誠司


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 この度はサイエンスリレーという「東海科学機器協会」ならではの、素晴らしい企画の一端にご指名頂き、大変名誉に感じております。
さて、難解な表題はさておき私は文系出身であり、且つ恥ずかしくも科学を語るには、まだまだ勉強不足の身ですが、身近なテーマとして人類にとって、毎日吸っていてなくてはならない「酸素」について基本的なお話をさせて頂くことと致します。
 早速、当方平常時に1分間に何度呼吸をしているかを数えてみました。なんと20回も「スーハー、スーハー」していました。ということは単純計算しますと1時間で1,200回、24時間で28,800回、1年で10,512,000回、80年生きたとすると840,960,000回も呼吸をするのです。しなければ「あの世行き」なのです。
 では、大気中にその酸素は、どの位含まれているのでしょうか? 通常の大気中の成分を羅列しますと、

窒素(N2) 78.08%
アルゴン(Ar) 0.93%
二酸化炭素(CO2) 0.034%
ネオン(Ne) 0.0002%
ヘリウム(He) 0.00052%

そして酸素(O2)は20.95%含まれています。
では、本題に入ります。通常時20.95%含まれる酸素が、欠乏した環境では、人はどうなるのでしょうか?

18% 頭痛、悪心、はきけ、呼吸脈拍増
14%~9% めまい、吐き気、筋力低下、墜落死、溺死
10%~6% 顔面蒼白、意識不明、動けず叫べず
6%以下 失神、心臓停止、死亡

となってしまうのです。
酸素濃度低下は、かなり危険です。具体的な事故事例を紹介しましょう。

①2009年9月、宮崎県五ケ瀬町の牛舎の地下サイロで、サイロに貯蔵されたブドウの搾りかすが、アルコール発酵し大量の二酸化炭素が発生。そのせいで酸素濃度は2.5%となり3名が死亡。

②2010年10月、下水道管のマンホールで2名死亡。駆けつけた消防員が空気を調べたら酸素濃度が6%以下であった。

 その他にも炭鉱や井戸、地下室、倉庫、タンク、ボイラ、そして研究室などでは、ガスの発生によって、作業時、酸素濃度が知らずに低下する危険性は高いのです。そこで、酸素欠乏への対応としては、各作業時に酸素濃度計の常備をお勧めします。危険な濃度になればアラームで知らせてくれます。命を守るため、危険地の作業、研究に、不安なく仕事に打ち込めるのも良いですね。
 弊社では各種扱っていますので、ご興味がありましたらお問合せ願います。
あれ?結局商品PRになってしまいましたかね(笑)・・・以上です。