東海科学機器協会の会報

No.372 2019 秋号

TKKファミリーイベント 2019開催

名古屋港水族館
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No.372 2019 秋号

TKKファミリーイベント 2019 今年も大盛況! 282名が参加!

ファミリーイベント実行委員 北川 均

 8月25日(日曜日)にTKKファミリーイベントを、昨年に引き続き名古屋港水族館にて開催しました。
 会員企業の皆様(ご家族含めて)から多数のお申込みをいただき、TKK運営委員を合わせて282名の方々に参加いただきました。猛暑が続く中の夏休み最後の日曜日ということもあってか、開館30分以上前から一般入場のチケット購入の長蛇の列ができていましたが、今年は入場チケットの事前配布ができたことで会員様のスムーズな入場が可能となり、一般の入場口から貸し切りのシネマ館への誘導も大きな混乱もなく10:00~のイベントオープニングもオンタイムで実施することができました。
 貸し切りのシネマ館においては、上林理事の司会のもと、高木理事長からの開会挨拶、その後、水族館職員様からの見どころ紹介及びウミガメについて興味深いお話をいただき、最後はウミガメの種類を当てるクイズでは水族館職員様と子供たちとの間でコミュニケーションが
生まれていました。ウミガメは全世界で8種類しかいなくて、このうち名古屋港水族館には3種類のウミガメが展示されていますので、今後名古屋港水族館に行かれる際にはその違いなどあらかじめ調査の上ご来場いただけると確実に面白みが増すのではないかと思います。
シネマ館でのオープニング、集合写真撮影のあとは館内自由見学と共にフォトラリーを実施し、イルカ・ペンギン・カメ・イワシの写真を撮影いただいた方に抽選を行っていただき、1人1品の景品をお持ち帰りいただきました。抽選場所は水族館の外に設営しましたが、当日は天気も良く気候にも恵まれたことで、館内を含めて大きな混乱もなく予定通り12:00にイベントは終了しました。
 今回ご参加いただいた会員様及びご家族の皆様には本イベントのスムーズな進行にご協力いただき感謝申し上げます。来年もTKKファミリーイベントを企画いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。

No.372 2019 秋号

フォトラリー 1位 念じてガラガラガラ!

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名古屋科学機器株式会社 川口 英寛

 8月最後の日曜日、名古屋港水族館でのファミリーイベントに参加させて頂きました。「TKK夏の恒例イベント」と銘打たれていますが、我が家でも夏の恒例イベントになっておりまして大変楽しみにしておりました。
 まずは集合場所のシネマ館でファミリーイベントならではの水族館職員さんから見所や豆知識を教えて頂きました。今回はウミガメについて、名古屋港水族館で飼育されているアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの見分け方を子供にもわかり易く解説して頂きました。
 次にフォトラリーの説明を聞いて、いよいよ見学です。子供達もやる気満々でしたので、フォトラリーを完成してからゆっくり見学する事にしました。フォトラリーは決められた4種類の生き物の写真を撮る事ですが、水族館の見所でもあるお題ですので楽しくチャレンジできました。1つめのイワシトルネードは照明が落とされた後に3万匹超のマイワシがライトアップされ、まるで1つの生き物の様にグルグルとウネる姿に見とれてしま
います。次のペンギンの写真は子供達が撮ってくれましたが、1番大きくてふてぶてしい皇帝ペンギンを画面いっぱいにアップした面白い写真が撮れました。3つめはウミガメの写真です。リニューアルされたばかりのウミガメ回遊水槽の周りではファミリーイベント参加の皆さんが、「これはアカウミガメだな」「あっちはアオウミガメだよ」と知識を披露されていました。
 最後に人気者のイルカを撮ってフォトラリー完成、1等「年間パスポート」を念じて娘がガラガラガラ。「金」…でちゃいました。「白」を見慣れているので本当にびっくり、夏休み最後の嬉しい思い出になりました。ファミリーイベントは午前中でしたが、お昼からも息子が大好きなダイオウグソクムシをじっくり観察したり、ウミガメの映画をみたり、イルカショーでも大盛り上がりして大満足の一日でした。
 最後になりましたが、ファミリーイベントを企画頂きました実行委員の皆様、有難う御座いました。次回開催も家族共々楽しみにしております。

No.372 2019 秋号

フォトラリー 2位 大きなシャチのぬいぐるみに大興奮!

株式会社ヤガミ 猪飼 愛

 名古屋港水族館でのファミリーイベントに、夫と三人の娘たち(7歳・4歳・1歳)と共に参加させて頂きました。子どもが産まれてから、毎年のように参加させて頂いており、家族写真を毎年水族館内のシャチの前で撮るのが、恒例行事となっております。
 今回のイベントでは、水族館職員の方からウミガメの見分け方を教えて頂いたり、団体用の観察ノートを頂いたりと、個人的に水族館に行ってたのでは経験することが出来ないことをさせて頂いた上で、フォトラリー開始!イルカ・ペンギン・イワシ・ウミガメ、それぞれの美しさやかわいい仕草に心惹かれながら写真を撮影。特にペンギンは、あまりのかわいさに近くで写真を撮り過ぎ、フォトラリーのチェックを受けるときに、イルカ?と間違えられてしまうハプニングまで起きました。
 そして、娘たちお楽しみの抽選会。昨年、小さなウミガメのぬいぐるみを当てた次女。「2回くじ引いてね」というと、勢いよく抽選器に手を伸ばしました。なんと出てきたのは銀の球!「お~!!すごい!!おめでとう!2等賞だよ。みんなで仲良く遊でね」と頂いたのは、大きなシャチのぬいぐるみでした。おへそや噴気孔もある、なかなかリアルなぬいぐるみのため、大人も勉強になりました。名古屋港水族館では、シャチの公開トレーニングも見てきたため、娘たちも、ここにおへそがあって、お母さんシャチとつながって、ここから出てきて・・と興味津々。これをきっかけに理科が好きな子どもになっていってくれないかしら・・・と密かに思ってしまいました。
 家に帰ってからも、次女の興奮は収まらず、祖父母に「水族館のガラガラで銀が出て、チャチ(まだシャチとうまく発音できないのです・・)もらったの」と自慢げに見せ、それから毎日、家に帰ってからは、シャチの奪い合いが続いております。家に帰ると大きなバスタオルでシャチを自分の身体に縛り付け、夜は一緒に布団で寝る程に溺愛中です。シャチのぬいぐるみを分かち合う仲良し3姉妹になってくれる日はいつ来るのかしら?と毎日ヒヤヒヤしながら娘たちを見守る母にも、たまには触らせてね!娘たちよ!!
 最後になりますが、イベントを企画運営してくださった事務局の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。

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No.372 2019 秋号

かきゃあ あんたも 見るということについて

エスペックミック株式会社 野口 達也

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 ひょんな事をきっかけに今まで見えていなかったものが見えるようになった経験はないだろうか?幽霊や神様が見えるといった類の話ではなく、今までも同じ景色を見ていた筈だったのに、興味を持って見てみると全然認識できていなかった世界があった事に気付くという話である。
 2018年の晩冬に山中でコーラの1リットル瓶と出会った。見つけて拾ったのは会社の先輩で、その場に居合わせた私が譲り受けたのである。譲り受けたそれは不法に投棄されたただのゴミだ。言ってしまえば私はゴミを譲り受けたのだ。それでも拾った先輩も譲り受けた私も宝物を見つけたような感覚であったことは間違いなかった。これはいいものだ!とワクワクしながら持ち帰ったお宝を洗い、インターネットでそれについて調べた所、1974年から販売が開始された初代1リットル瓶であること、コーラの1リットル瓶は、その後デザインを変えながら1995年頃まで製造され、6代目まで存在する事が判明した。それから昔のゴミ捨て場を掘ったり漁ったりしてレトロな瓶やガラス製品を収集するボトルディギングという遊びがある事も知った。
 コーラのビンと出会って1年が経過した今年の春、私は良い感じの流木を拾いにダム湖を訪れていた。その日は偶然ダムの水位が下がり普段水没している集落の跡が露わになっていた。泥が積もったかつての集落だが、家だった場所、村民が往来していたであろう道の位置がなんとなくわかる。もちろん家は基礎が残るのみである。うろうろ集落を散策していた私は古いビンが所々に落ちていることに気が付いた。それからというもの、流木なぞそっちのけで半分泥に埋まったビンを見つけては、その付近をほじくり返して古いビン、いい感じのビンを探すことに精を出していた。水没した集落はレトロ瓶の宝庫だったのである。私のボトルディギングが始まった瞬間であった。昨年のあの日にコーラの1リットル瓶に出会っていなければ、落ちているビンに対して興味なんか無く,もしかしたらビンが落ちている事にも気が付かないまま、集落跡の散策と、いい感じの流木を探していただけだったと思う。あの出会いがこれまでの人生になかった新たな視点が生まれた瞬間だったのであろう。要するに今まで見えていなかったものが見えるようになったのである。
 落ちているビンが見えるようになった所で何の役にも立たないし、だから何だという話だが、仕事でも生き抜く術でもなく、趣味なんだから役に立つ必要はそもそもまるでない。良い感じのビンは私にとっては問答無用で良い感じなのだ。要は私が楽しければいいのだ。知らない世界はたくさんある。興味を持って見ることでしか得られない情報もある。見えるものが多い方が人生豊かで楽しいのではないかと思う。

No.372 2019 秋号

かきゃあ あんたも 「1、2、3、4!」

株式会社エンバイシス 沖田 陽一

僕たちの住むのは小さな地方都市。
駅からつながる商店街は、20時になると店は閉まりアーケードの明かりがシャッターを照らす。
そんな明るく寂しいアーケード街を自転車で通り抜け、少しわき道に入った雑居ビルの前に止める。
SAXの音がかすかに聞こえる。
狭い階段を上って扉を開け、すでに集まっているメンバーと声を交わし、背負っていたケースからギターを取り出す。

「じゃ、『Grapevine』から。」

いわゆる<おやじバンド>だ。女性も2名いる為、正確には<おやじ>ではない。
もともとは地元小学校のPTA父兄会イベントでバンドをすることになったのがきっかけで、かれこれ10年以上続いている。
そんなわけだからメンバーの職業はバラバラ。

「『悲しい気持ち』だからさー、もっと雰囲気出さないと。」

練習の拠点にしているのは、ライブハウス。
といっても常時開いているわけではなく、ライブやイベントがあるときだけ営業をする為、予定のない日に練習に貸してもらう。
「そんなのでやっていけるの?」と思うだろうがもちろんやっていけない。
地元企業の社長さんが「地元に根ざした音楽を絶やしたくない。」との思いから採算度外視で場所を提供してくれているのだ。

「さっきリズム、置きに行ってしもた!」
練習が一段落して、集金ボックスに500円玉を放り込み冷蔵庫からビールを取り出す。

主な演奏の場所は、年に数度ライブを主催したり、地元イベントで演奏したりだ。
そして、終われば打ち上げ。
ライブも楽しいが打ち上げも楽しい。
ついでに新年会もする。忘年会もする。そして<おやじ>の宿命である全快祝いもする。
普段の仕事では絶対接点がないであろう職種のメンバーが集まって仲良く十数年。
幸せである。

「そこsus4からメジャー?」「うんん、sus4のまんま」

次の練習日と課題曲を決めて解散。

次の日はまたそれぞれの職場で戦っているはず。
自転車を走らせていると夜風が気持ちいい。
練習前より少し元気になっている。

No.372 2019 秋号

かきゃあ あんたも 「杖」をついて思うこと

オザワ科学株式会社 豊田 義尚

 訳あって、昨年の10月から杖を使って歩いています。車が運転できるようになるまでは、電車やバスなどの公共交通機関を使って出勤していました。そんな公共交通機関内で杖を使っていて思ったことを少々書きたいと思います。
 皆さんも電車などの優先席でお体の不自由な方に席を譲られた経験はあると思いますが、実際に優先席付近でいったいどれくらいの割合で席を譲ってくれると思われますか?
私の経験から言うと約半数の方が席を譲ってくださいます。この、約半数というのが「思ったより少ないなー」とか、逆に「多いねー」とかいろいろ思われるのではないでしょうか。しかし、この半数というのはすべての年齢層の方の半分が譲ってくれるというわけではありません。
 電車やバスにはいろいろな年代の人たちが乗っています。通学で乗っている小学生から大学生、通勤のビジネスパーソンやOLさん、旅行にでも行かれるのか荷物を持った年配の方々など、年齢や目的など様々です。
 事実、先ほどの席を譲っていただける割合は、譲る人の年齢が若くなるほど高くなる傾向にあります。逆を言うと年齢が上がるにつれて、譲っていただける割合は低くなっていきます。以前は、自分自身も満員電車などに杖をついたりして乗ってこられる方を見ると、「何もこんな混んでいる時間の電車に乗らなくてもいいのに」などと思ったりしていました。実際自分がその立場になると、そんな目で見られている気がしますし、中にはあからさまに迷惑そうなそぶりをする人もいます。
 なぜ年齢が上がるほど席を譲らなくなるのか?理由は様々だと思います。自分もそうでしたが「席を譲るのが気恥ずかしい」 「以前譲ったけど断られた」 「自分よりも若い奴が譲ればいい」「自分のほうがつかれていて大変だ」 「気が付かなかった」など考えられる理由をつけて自分で納得してしまっているのではないでしょうか。
 優先席の定義はあいまいで法律的な強制力もありませんが、人の優しさや思いやりで成り立っているものだと思います。皆さんも、もし困っている人がいたときにはぜひ声をかけてみてください。きっと喜ばれると思います。
 最後に、最近「ヘルプマーク」が優先席に追加されています。これは見た目に障碍者と分かりづらいけれど、何らかの助けや配慮が必要な人たちのためにわかりやすくしたマークです。
もしこのマークをカバンなどにつけている人を見かけたら、思いやりの気持ちを思い出していただけたらと思います。

No.372 2019 秋号

曜日に因んだテーマでおくる 1週間のサイエンスリレー

月は遠い? それとも近い?
~アポロから50年~

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 アポロ計画で月に人類が足跡を記してから50年がたちました。その1969年7月21日の夜には半月少し手前の月が西の空に見えていました。このことをリアルタイムでご記憶の方は50代の後半から上の世代ですね。今となっては大部分のみなさんが「歴史」としてこのことにふれています。
 さて人類が地球以外の天体に行ったのは、この時の「月」だけです。ケネディ大統領の宣言からたった8年で「月」に行けたのに、その後50年経っても火星どころか、再び月へも行けていないというのは、当時の人々には信じがたいかもしれません。月は地球に最も近い天体ではあるのですが、人類にとっては結構遠い天体のままなのです。
 月は地球の周囲を楕円軌道をえがいてまわっています。最も近いときと遠いときの差は5万km。とても大きく感じますが、図に書いてみるとさほどな楕円ではないですね。
 ただし数値では5万kmも近いとなってしまうので、スーパームーンなどといういわゆる「煽り」が流行ってしまいます。

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 この図は最遠、平均、最近の月の見かけの大きさを比較したものです。スーパーと言えるほどの大きさの差はないですね。さらに最小と最大は半年離れてやってきます。平均の月から比べたらさらに差の比率は小さくなります。
 それ以上に私達は地平線付近にある月を、心理学的効果によって約4-5倍大きく感じています。そのことに触れずに「今日はスーパームーンだから月が大きく見えます」というのはエセ科学的な「煽り」なのです。
 一方、平均38万kmという月までの距離は、なかなか実感しにくい距離でもあります。そこで手近なものでその比率を見てみましょう。硬式のピンポン玉の直径は4cm。これを地球とすると月は直径11mmのパチンコ玉にほぼ相当します。そしてそのパチンコ玉をピンポン玉から1.2m離れたところに置くのです。ずいぶんはなれているものですね。
 この近くて遠い月までの距離はどうやって測るのでしょう?実はこのことにアポロ計画は大いに役立っているのです。
 次ページの写真はアポロ11号で月面に置かれたレーザー反射装置です。これが地球の方向に向けられています。図はアポロ11号のプレスキット(記者向けの資料集)に載っているLRRR(Laser
Ranging-Retro-Reflector)装置の図です。直角の鏡で構成された逆反射器が100個並べられています(11号、14号)。さらに15号では逆反射器は300個に増やされました。また旧ソ連のルナ17号、21号でも同様の装置が月面に置かれています。そしてこれらの装置を使った観測が今も行われているのです。

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 現在この月レーザー測距を行っているのは、ややこしいことにAPOLLOという研究グループです。ちなみにApache Point Observatory Lunar Laser-ranging Operationの頭文字です。いちばん大事な「測距(ranging)」を略称に入れていないところは見なかったことにしましょう。
 アポロ以後、さまざまなグループがこの月測距に取り組み、現在では毎年約3.8cmずつ、月は地球から遠ざかっているという結果が出ています。ただ約3.8cmというのも中途半端な刻みですね。これは1.5インチをcmに直したもの。ざっくり1インチ半くらいかな、というところです。ですので3-4cmと表現したほうがよさそうです。
 この月が毎年遠ざかるということを測るのは実はとても大変なことです。まず、月が遠いときと近いときでは5万kmも距離が変わります。そこで一瞬一瞬の測定精度を上げても、それは月が遠ざかっていく量には結びつきません。月の軌道をモデル化し、その軌道上のどのタイミングで測っているのかを知ることが必要です。また、測定には望遠鏡が設置されている足場、地球の潮汐も影響します。月や太陽との潮汐では、海だけではなく陸も数cmから数10cmのオーダーで上下します。測る相手は5万kmも距離が変動していて、足元も測りたい量の10倍近く揺れている中での測定になります。つまりただ測るだけでは何をしているのかわかりません。観測に関わる様々な要素を調べ上げてやっと目的の変化を見出すことができるのです。
 さらにレーザー光線は直進するのだから、行き帰りの時間を正確に測りさえすれば精度は上がるという感じがしますね。実はそのレーザーの光を識別するのがこれまた大変なのです。
 行って帰ってくる時間を測るためには、とても短いパルスを作る必要があります。最近の観測では100ピコ秒のパルスを送出します。これは光が
約3cmほどしか飛ばない、つまりホットケーキ状の光の塊を飛ばす感じです。そして測定精度自体は数ピコ秒で測ることができます。
 しかしいくらレーザー光を正確に出したとしても地球の大気のゆらぎで方向は乱され広がります。月面において、口径3.5mの望遠鏡から放たれたレーザー光の広がりは約2kmほどになります。ですので、46cm角のLRRR装置で反射できる割合はごくごく限られます。さらに同じ広がり方で返ってくる光を口径3.5mの望遠鏡で受け止めるのです。
 光の強さは行きで1/3000万になります。同じことが帰りでも起きますから1/3000万、つまり1/1兆になります。この場合、1パルスごとに数個の光子が得られる計算になります。
 しかし一つの光子を測定しても、それがパルスの前端か中盤か後端のものかがわかりません。パルスの厚みは3cmあるので、3.8cmという精度には至らないのです。そこでたくさんの観測を重ねることになります。
 さらにこのような弱い光は月明かりなどの明るさに紛れてしまいます。そこで検出器は、パルスが戻ってくると思われるタイミングだけシャッターを開きます。さらに出した光の波長がわかっていますから、その波長だけにフィルターで絞ります。このような工夫でノイズを低減した上、数少ない光子を検出し精度を高めていくのです。
 50年の年月を重ねて、さまざまな工夫で精度が高められた結果、地球と月との距離や、軌道の理論、さらにそれを裏付ける相対性理論のチェックまでもが、この一見シンプルに見える観測から行われているのです。

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名古屋市科学館だより

名古屋市科学館にご協力いただき、各種イベントの情報、
科学館の楽しみ方などを紹介いたします。是非ご利用ください。
科学館HP http://www.ncsm.city.nagoya.jp/

★市 民 観 望 会

名古屋で星なんて・・・と思っていませんか?
地下鉄から歩いて5分で、宇宙が間近に感じられます。
ぜひ体験してみてください!!

○開催日 ○申込期間
12/7(土) 月とすばるをみる会 10/20(日)~11/16(土)

○時 間 午後6時15分?午後8時30分
○参加費 大人 700円
小人(中学生以下) 300円

※申し込みが必要です 申し込み方法等、詳細は名古屋市科学館ホームページをご確認ください。

★昼間の星をみる会

昼間に星をみられるの???
そうなんです!望遠鏡を使うと昼間でも星をみることができるんです。入館チケットのみで参加でき、申し込みも不要です。
天気が悪い時は、望遠鏡の仕組みなど説明してもらえます。
※注意:ご自分の望遠鏡・双眼鏡で昼間の星を探すことはお止めください。間違って太陽を見てしまうと失明してしまいます。

○開催日 10/27(日)、11/24(日)、12/8(日)、1/5(日)・26(日)
○時 間 午前11時30分?午後3時30分

★夜 間 投 影

夜6時半からの大人限定のプラネタリウムです。
七夕やお月見など、その時々にちなんだ天文の話題を取り上げます。各回のテーマをご確認の上、お申し込みください。

10/25(金) オーロラの夜 9/2(月)~10/4(金)
11/26(火) オーロラの夜 10/5(土)~11/5(火)
12/21(土) クリスマスの夜 11/6(水)~12/6(金)
12/22(日) クリスマスの夜 11/6(水)~12/6(金)
1/28(火) 星空のオルゴール 12/7(土)~1/7(火)

○参加費 大人 700円

※申し込みが必要です 
申し込み方法等、詳細は名古屋市科学館
ホームページをご確認ください。

★プラネタリウム一般投影

魅力が満載?
・学芸員の方々の生解説なんです!!
 しかも、毎月プログラムが替わります。
・世界最大級の35mドーム。
 限りなく本物に近い星空を体感できます。
・最新のデジタル映像!!迫力満点です。

生まれつつある系外惑星 10/1(火)~10/31(木)
46億年前に私達の太陽系が誕生しました。そして今、宇宙のあちこちで生まれつつある惑星系の姿を捉えることができるようになりました。電波天文台ALMAの成果をもとに惑星のでき方を探ります。
世界のニュートリノ観測 11/1(金)~11/30(土)
ニュートリノの観測は巨大な水のタンクを使った日本のスーパーカミオカンデが有名です。実はそれ以外にも独創的な手法による観測が行われています。
世界の特徴ある観測装置と成果を紹介します。
陽はまた欠ける 12/1(日)~12/26(木)
12月26日に1月6日に続いて2019年2回目の部分日食が日本全国で見られます。日本で同じ年に2回、日食が見られるのは1992年以来のことです。部分日食の安全な観察方法や楽しみ方をまとめます。

★プラネタリウム ファミリーアワー

「ファミリーアワー」は、幼児から小学校低学年のお子さま連れのご家族にも安心して楽しんでいただける、遊び心あふれるプログラムです。今晩の星空はもちろん、宇宙旅行や冒険にもでかけます。初めてプラネタリウムをご覧になる方も是非どうぞ。

◎~11/17(日)
 とびだせ! 星の世界へ
◎11/23(土)~2020.3/8(日)
 ふたごの星の物語

★部分日食をみる会

○開催日 12/26(木)
○会 場 名古屋市科学館 理工館
     6階 太陽望遠鏡
     7階 星のひろば

※申し込み不要で、ご入館いただけばどなたでも
 見学いただけます

★特別展 チームラボ 学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物達

 本特別展は、デジタル技術を駆使した「デジタルアート」の先がけとして知られるチームラボによる展覧会です。前回、平成28年度に開催し、大好評を得ました。今回は、東京お台場にオープンした常設展でも人気の新作や東海地方初登場の作品を集めて展示します。「共同的な創造性、共創(きょうそう)」をコンセプトにした教育的なプロジェクトであり、他者と共に世界を自由に創造することを楽しむ、「学ぶ!未来の遊園地」の作品の中から、「Graffiti Nature」、「お絵かき水族館」、「すべって育てる!フルーツ畑」などの作品を展示します。また、名古屋初上陸のアートコンテンツとして、「花と共に生きる動物達」を展示します。その他、「お絵かき水族館」で描いた絵のオリジナル缶バッジをその場で作る「缶バッジファクトリー」を開催します。

○期  間 11/30(土)~2020.2/16(日)
○開館時間 午前9時30分から午後5時(入場は午後4時30分まで)
○休館日 毎週月曜日(1月13日(月祝)は開館)、毎月第3金曜日 12/29(日)~1/3(金)、1/14(火)
○夜間延長 12/21(土)~27(金)(23(月)を除く)の6日間
午後5時~午後7時30分まで(最終入場は午後6時30分)延長時間内は、名古屋市科学館展示室はご覧いただけません。

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From JET

2018年に40周年を迎えたJET。令和の時代もより一層の発展を願って
このTKK会報の誌面をお借りして活動の報告をしていきたいと思います。

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JET7月度定例研究会の報告

日 時 2019年7月11日(木)17:00~19:00
場 所 貝新商店3F
内 容 JETメンバーによる自社紹介
報告者 株式会社サンメック 青山英資

 令和元年最初の定例研究会は、JETメンバーによる自社紹介を開催致しました。実はこの企画、約10年前にも開催しており、あらためて聞いてみると知らないことや、イメージと違うことに気付いたりと当時とても好評でした。メンバーが入れ替わる頃にまた開催出来ればと話してきましたが、今年4月に2名の新入会員を迎えたこと、そしてここ数年で複数名の卒業予定者がみえることから、これまでになく会員数が多い今年度の開催となりました。質疑応答も含め各自持ち時間は15分と短く、急ぎ足での発表でしたが、現JET会長である株式会社木下理化の木下さんから始まり、ハヤシ化成株式会社の林さん、
株式会社東海試験機製作所の飯田さん、株式会社サンメックの青山、株式会社テクノ西村の
西村さん、株式会社広島の國枝さん、株式会社イリエの竹田さん、株式会社三弘の伊藤さん
まで現会員数17名のうち、今回は約半数8名の仲間に設立当時や業務内容の変化などこれまでの経緯、主力業務の紹介を中心とした現在の強み、そして今後の方向性など、短い時間ということもあって内容は各社それぞれのアピールポイントを重点的に熱く語っていただきました。
 同じ業界、地域を舞台に切磋琢磨し合うと同時に、強み弱みを補完し合える仲間として今後もJET活動に取り組んでいきたいとあらためて感じる研究会となりました。
 また、今年度中にメンバー全ての発表を行い、これまで以上に距離感を縮めて活動したいと考えております。

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東海のグルメ リレーでご案内

蔵仕込み熟成らーめん
銀のくら 本店

案内人
株式会社島津製作所
蓬田 征美

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 スポーツの秋、芸術の秋、そして食欲の秋。皆様いかがお過ごしでしょうか。寒暖の差が激しくなる今日この頃、体の芯から温まるお店のご紹介です。
 今回ご紹介させて頂くお店は『銀のくら 本店』です。よく行列ができているため常連の方も多いかもしれません。本店は高岳駅から北に徒歩約5分に御座います。その他、最近は柳橋店と春日店もできているようです。
 私、大のラーメン好きでして、学生時代にはラーメン屋さんのハシゴは日常茶飯事で、1~2時間並ぶ有名店や、『替玉7玉で無料!』といったパワー系とんこつラーメン、さらには呪文を唱える『あのお店』まで様々なジャンルのラーメン屋さんを食べ歩いていました。
(お陰様で体重は学生時代からうなぎのぼりです笑)
 そんな様々なラーメン屋さんを巡ってきた私ですが、このお店は特にお気に入りです!多かれ少なかれ行列ができていることが多いですが、何なら待ち時間も調味料みたいなものです。期待に胸膨らませ待ちましょう!
 そして入店。L字型のカウンターであり、少々圧迫感があるかもしれません。そのため、大型の荷物の持込は避けた方が無難かと思います。メニューは大別すると『純みそ』、『辛みそ』、『黒こしょう(数量限定)』の3種類。そこに好きなトッピングを追加していくタイプです。自分好みの一杯を探せるのもまた魅力かな、と思います。
 その中でも私のイチオシは『辛みそにんにくバターラーメン(大盛+小ライス)』です!まずは何も混ぜずにスープを一口、その後バターを絡めて一口、最後ににんにくを絡めてから麺をすするというのがルーティンです。後は白米と共にお好きに味わってください。スープは味噌ベース≒味噌汁のようなものです。最後まで一滴残らず味わえます。味噌ラーメンの本場北海道でも未だこのレベルに出会ったことはありません!
 最後にとっておきの情報を。ランチには少々気が引けますが、にんにく増量(無料)が特にオススメです!晩ご飯にも良し、宴会後の締めの一杯としても良し、是非ご賞味ください!

名古屋市東区泉1-6-20 ライフビル TEL : 052-971-0084
営業時間 【月~土曜】11:00 ~14:00 / 17:30 ~ 翌2:00 (L.O. 1:30)
     【日曜・祝日】11:00 ~ 14:00 / 17:30 ~ 23:00

次回は、株式会社三弘 鈴木さんがご案内します。

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東海科学機器協会 2019年度 第4回役員会議事録

日 時 2019年7月9日(月) 14時00分~15時30分
場 所 名古屋銀行協会 503号室
出席者 高木理事長、伊藤副理事長、伊丹副理事長、木下会計理事、岡野理事、鍵井理事、上林理事、
    北川理事、中野理事、西川理事、林理事、水野監事 、小澤監事 、木部事務局

高木理事長
 ・前回議事録の確認
 ・日科協 定時総会の報告

展示会実行委員会(伊藤副理事長)
 ・本日役員会後、第2回を開催

事業計画
ファミリーイベント(林委員長)
 ・7/1から募集で本日時点215名の申し込み、締切りは9/26
 ・8/1に現地打ち合わせを行う
 ・昨年申し込みがあり、今年度申込の無い会員企業については電話で確認する

野球大会(岡野委員長)
 ・毎回参加の会員企業にアンケートを取った結果、予選11/16(土)・決勝11/30(土)・予備12/14(土)
 ・アンケートを提出いただいた会員に結果を連絡そのうえで、8/初に案内状・申込書を発送予定
 ・事前打ち合わせは9月役員会後に予定
 ・抽選会は10/8講演会会場にて講演会前に行う

技術見学会(事務局)
 ・12/5(木)、㈱島津製作所 創業記念資料館・三条工場の見学
 ・9月役員会にて詳細報告し、10/初 会報誌と同梱で案内・申込書を発送

講演研修会(上林委員長)
 ・10/8(火)18:00~ウインクあいちで開催
 ・案内状・申込書を8/初、ゆうメールで発送
 ・9月役員会で申し込み状況報告

編集委員会(伊丹委員長)
 ・表紙をカラー印刷することについて検討
 ・表紙写真を再度公募

HOKT会(木下委員長)
 ・参加者について検討、9月役員会にて最終決定し9/20までに大阪科学機器協会に報告

事務局
 ・役員会開催日程の一部変更と確認
 ・新聞の暑中見舞い広告の提示と承認

No.372 2019 秋号

東海科学機器協会 2019年度 第5回役員会議事録

日 時 2019年9月10日(火) 14時00分~15時30分
場 所 名古屋銀行協会 503号室
出席者 高木理事長、伊藤副理事長、伊丹副理事長、木下会計理事、岡野理事、上林理事、鍵井理事、
    北川理事、中野理事、西川理事、林理事、藤岡理事、水野監事 、木部事務局

高木理事長
 ・前回議事録の確認
 ・日科協・JASIS報告

展示会実行委員会(伊藤副理事長)
 ・本日役員会後、第3回を開催

事業計画
ファミリーイベント(林委員長)
 ・8/25開催、定員300名に対し26社282名の昨年よりも多くの方が参加
 ・例年暑い中、水族館前(外)での集合であったが、シネマ館へ直接入場に変更し解決できた
 ・来年度に向けての留意点
  シネマ館から出るときの渋滞緩和、ベビーカーの置き場所検討

野球大会(岡野委員長)
 ・12チーム参加決定
 ・10/8抽選会を行い11/16(予選),11/30(決勝)の予定

技術見学会(事務局)
 ・開催案内(案)を説明
 ・申込は1社3名以内で、対象者は会員企業の幹部・若手・営業・技術
 ・案内状・申込書は、会報誌秋号に同梱予定

講演研修会(上林委員長)
 ・10/8(火)18:30(18:00開場)~ウインクあいちで開催
 ・本日時点で100名超のお申し込み
 ・開会挨拶・青山副委員長、司会・上林委員長、閉会挨拶・伊藤副理事長

編集委員会(伊丹委員長)
 ・今号より表紙をカラー印刷する
 ・本日、秋号の校正

HOKT会(伊藤委員長)
 ・参加者を最終検討し9/20までに大阪科学機器協会に報告

No.372 2019 秋号

東海科学機器協会 2019年度 第3回 編集委員会議事録

日 時 2019年8月7日(木)17時00分~18時10分
場 所 ㈱島津製作所 会議室
出席者 伊丹委員長、岡野副委員長、伊藤委員、藤岡委員、小澤委員
    デザインスタジオスポーク野村 、木部事務局

会報誌(vol372)秋号の企画打ち合わせ

No.372 2019 秋号

東海科学機器協会 2019年度 第4回 編集委員会議事録

日 時 2019年9月10日(火)15時30分~16時30分
場 所 名古屋銀行協会 503号室
出席者 伊丹委員長、岡野副委員長、伊藤委員、小澤委員
    デザインスタジオスポーク野村 、木部事務局

会報誌(vol372)秋号の校正

No.372 2019 秋号

各社広告

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No.372 2019 秋号

編集後記

◎子供達の長い長い夏休みが終わり、親御さん、特にお母さま方が一番ホッとされていらっしゃるのではないでしょうか。朝は寝坊、毎日のお昼ごはん、宿題の進捗状況など頭を悩ます事ばかりです。かくいう我が家のお坊ちゃまもご多分に漏れず、一向に進まなかった課題(特に自由研究・習字・日記など)のほぼ5分の4を最終二日で仕上げていました。その素晴らしい集中力も、きっと最初からは発揮できないものなんですよね・・・・。(K.I.)

◎握力が健康のバロメーターであるという話をネットで読みました。5kg低下していく毎に病気のリスクが上がっていくとか。時代は握力だ!とトレーニングボール・握力計を購入し日々モニターしていくことに。一度数値化できると目標値を決めたくなるものです。りんごを潰すためには80kgが必要との事。現状では、まだまだ全然足りませんががんばって続けてみようと思います。(H.O.)

◎2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで1年を切りました。国立競技場の建築工事も予定通りに進んでいるようです。途中、規模を縮小したことで設計も大きく変わり、かなり着工が遅れたようですが現場は工事を毎日夕方5時に終わり、今年のゴールデンウィークは長かったですが現場も10日間休みだったようです。それでも大会までには間に合うとは本当に凄いです。ここでも色んな技術が使われているのでしょうね。(K.ITO)

◎長かった子供の夏休みも終わり、朝・晩はだいぶ涼しくなってまいりました。子供に振り回され続け疲れ果てていた妻の表情も少し和らいできたように感じます。秋は気候も良いので、お出かけの予定を立てている方も多いのではないでしょうか。我が家も夏に行ったキャンプが雨で残念な思い出になってしまったので、この秋に再度チャレンジしたいと思います。(T.O.)

◎この夏は青春18切符を利用した鈍行列車(ちょっと古い表現かな?)の旅に初トライ。意外とせわしい一人旅だったことと、同様の旅をしている人が多いのにはびっくり(◎_◎;)さ、次は紅葉と味覚を求めて秋の旅だな!(S.F.)

◎今年は、部分日食が2回、1回目は1/6(日)にありました。そして2回目は12/26(木)、名古屋では西の空で14:25~かけ始め最大食は15:33(食分0.37)~かけ終わりは16:33。名古屋市科学館でも午後から観望会を行いますので是非ご参加ください。(詳細は10、11ページをご確認ください)(N.K.)

会報編集委員

委員長  伊丹 勝司:壽工業㈱
委  員  伊藤弘一郎:㈱三 弘
委  員  小澤 大地:オザワ科学㈱

副委員長  岡野 裕史:名古屋科学機器㈱
委  員  藤岡 秀治:㈱島津製作所
事務局  木部 信夫:伊勢久㈱