東海科学機器協会の会報

No.323 2008 冬号

東海科学機器協会 55周年記念旅行報告秘湯・扉温泉「明神館」と上高地の旅

TKK記念旅行実行委員長 各務隆弘
TKK記念旅行実行副委員長 小田正城

 

 

 

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東海科学機器協会は本年創立55周年を迎えた。5月13日には名古屋観光ホテルで各界来賓をお招きして盛大な記念式典と祝宴が開催され「科学にハピネスを!」のテーマと「55周年記念ロゴ」が発表され100余名の参加で大盛況のうちに終了しました。

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周年事業は記念旅行として今回で完結する秘湯・扉温泉「明神館」と上高地の旅が一泊二日の日程で催行された。以下はそのご報告。

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<11月7日>時折雨のパラつく曇天の中、一路信濃路に向け定刻にバスが発車。今回は23社27名の参加。休憩をとりながら最初の目的地「マルスウイスキー信州工場」で見学と試飲。この頃には天気も回復して、絶好の行楽日和となった。諏訪湖畔のホテル紅やで昼食。次いで「北澤美術館・新館」ではアール・ヌーボー、アール・デコを代表するガレ、ドーム、ラリックのガラス工芸品を鑑賞。しばし美の世界に浸る。あらためてバスは松本に向かい、戦国時代に造られた国宝・松本城の見学。車窓からは絵で描いたような紅葉や、今が盛りの信州リンゴ・富士が真紅に実る風情を楽しみながら今夜の泊地、扉温泉に到着。バスがかろうじて通る事の出来る道幅いっぱいで葛折りの登りだけに、まさに秘境に向かうには十分な道程であった。

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泊施設「明神館」は戦前から山の中の一軒宿として、再建を重ね今では一度は泊まりたい宿とか、秘境の一軒宿、癒しのお風呂のある宿として様々なメディアで紹介されている。

着後、4種類ある夫々のテーマをもった温泉に癒された面々が、夕刻6時宴会場に集合。

岡野理事長挨拶は先の55周年事業を振り返り、最後は得意の五行歌で今日を愛で、協会の将来を思う締めくくり。次いで竹田副理事長の乾杯で祝宴が開始された。

今回は協会の大先輩も多数参加、ご夫婦での参加もあり懇親の輪が更に大きくなり、地産地消の料理に舌鼓をうった。程なくビンゴゲームも催され、小田委員の軽妙なリードで会場はたちまち熱気を帯びるなど予定の時間は瞬く間に過ぎ去り、最後は八神副理事長の独特の経済理論を披露しての中締め。後三々五々、川のせせらぎと半露天の立ち湯から晩秋の絶景を楽しみながら夜の帳に初日を終えた。

<11月8日>二日目のメインである「上高地」へと向かう。標高が高くなるにつれ窓外の景色は初冬へと映し替わる。かつての難所、安房峠は難工事に見舞われた安房トンネルの開通で快適なドライブを可能にした。やがてうっすらと冠雪した穂高連峰が澄んだ青空と相まって素晴らしい景観を見せてくれた。

健脚組は大正池で下車。梓川にそって河童橋まで約1時間の散策。多数は当日で今年の営業を終了する上高地帝国ホテル前で下車して穂高の峯を目に映しながら同様に白樺の林間を縫う小径を散策。寒気漂うこの頃はシーズン最後でもあり車両の入域制限までされる夏場の喧騒からは想像できない程観光客も疎らで、穴場的時期にゆっくり一時を過ごすことが出来たのは幸いであった。

バスは一路高山に向け快走。昼食は武家政治時代の面影を残す明治初期に建てられた町屋造りの「鳩谷」にて。A3等級飛騨牛ブランドのすき焼きを満喫。今回最終の食となったが参加者には味覚と雰囲気と申し分のない仲居さんの接待に概ねの満足を頂けたようだ。

最後に全国に唯一現存する郡代・代官所である「高山陣屋」を見学し、帰路に就いた。

天候にも恵まれ周年事業の旅行も事故もなく無事終了。二日間でありながら濃密なプログラムも名古屋駅で完了。持ちきれないほどのお土産と共に、思えば瞬時でもあった参加会員の交流、旅の思い出に満面の笑顔でバスを下車される皆さんの表情に、来る60周年に思いを馳せるのは早計であろうか。昨今の厳しい経済環境の中、この旅行を通じて困難を乗り切る糧としていただければ幸いである。先の記念式典と合わせ周年事業の無事の完了に会員諸氏のご協力に感謝し、TKKへの更なるご支援をお願いしてご報告といたします。

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