東海科学機器協会の会報

No.339 2012 新年号

〔年頭所感2012〕 新年を迎えて

東海科学機器協会副理事長
八神 基 株式会社ヤガミ


東海科学機器協会 副理事長 八神 基 株式会社ヤガミ 

 毎年お正月を迎えると、その年の出来事の行く末や結果を“望年予想”として、政治・経済・社会・スポーツから10問出題し、一年を通して仲間内で「当たった・外れた」と競い合い楽しんできています。しかし、昨年は“想定外”の東日本大震災に見舞われ、“望年”どころではなくなりました。昨年末には“忘年”の方が相応しいと、平年よりも多くの忘年会・二次会への参加を増やしてお金が廻ることに努め、日本経済の活性化に些かなりと貢献できました?

 
 震災後“想定外”の言葉が喧伝され、その防御への“万全の措置”が声高に叫ばれています。俗に言う“千三つ”では発生確率0.3%、品質管理限界とされる3σでも0.3%ですが、この“万全の措置”レベルまで要求されると、これは万に1つあるかないかですから0.01%となり、0.3%に比べると30倍の良品率を保証せねばなりません。どの方面であろうと“万全”を担保するための費用負担は途轍もなく膨大となり、とても堪えきれるものではないでしょう。自然起因の大災害を防止するには、莫大な投資が要る“自然を克服する”のではなく、“自然を活用する”智慧が求められます。自然災害が多発する宿命にある我が国ではなおのこと、防災を含めエネルギーに関する科学技術開発の方向性は自然界の事象や地球の組成物とか動植物など自然に存在する事物を活かしてこれを制御し、自然界と“寄り添う”姿勢で進めないと“投資負け”し文明が衰退して行ってしまうように思います。

 この4月に開催します、“第22回最新科学機器展”では、同時開催でお願いしています“第1回再生可能エネルギー展名古屋”は、まさに時機に適ったテーマです。必ずや来場者の増加に繋がるものと期待しています。
今、最新科学機器展への出展者数が伸びず心配しています。未だ募集期間中です。どうか奮ってのご出展および出展社への呼びかけを切にお願い申し上げて今年の年頭にあたっての挨拶といたします。

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