東海科学機器協会の会報

No.349 2014 新年号

節目を迎えて

東海科学機器協会 副理事長
八神 基
 株式会社ヤガミ

02-1 明けましておめでとうございます。
 25年前、年が明けて間もなく平成の世となりました。あれから四半世紀です。想えば、その前年末の大納会で史上最高値の約39,000円を付けた日経平均株価は、その後7,000円近くまで下がりました。昨今のアベノミクスによりやっと16,000円辺りまで回復してきたとはいえ、その間に国の借金は4倍にも膨れ上がり、財政は悪化の一途を辿ってきたこの四半世紀です。

 今年4月1日から消費税が3%上積みされ8%となります。消費税の導入もちょうど四半世紀前の平成元年4月でした。この平成元年=1989年は、第二次大戦後の世界の様相が大きく変わった年でした。1月7日、昭和天皇の崩御(昭和日本の終焉へ)、6月には中国で天安門事件(自由主義市場経済を惹起へ)、11月にはベルリンの壁の崩壊(東西冷戦終結=共産主義国家の消滅へ)、そして年末には世界を呑むと言われていた日本経済の象徴=株価がピーク値を付け、この後はバブル崩壊からデフレ経済〜リーマンショックへと停滞期に向かった切っ掛けの年でした。

 その四半世紀後の今年、またエポックメーキングの年となるかもしれません。世界はより狭くなり、地球の裏側で起こることが瞬時にして駆け巡る情報は、もっと速く・もっと多くと飽くことなく要求されています。情報通信関連産業へは集中的に投資が続くでしょう。わが国では2020年のオリンピック開催を控えていることもありますが、バブル崩壊〜リーマンショックによる世界同時不況以来、ずっと手控えられていた設備投資が復活する予兆が感じられます。私たちの業界環境もずっと良くなっていくような気がします。とりわけ、当地区ではリニア新幹線の大きなプロジェクトが動き出します。この完成の2027年前後には、名古屋地区は大阪地区を凌ぐ都市圏となります、今年はその始まりの年です。

 TKKは昨年に創立満60周年を迎え、その記念式典を始め各種の記念事業を行いました。60年の還暦を越え、次への初年である今年、この還暦の回転と符号するように、TKKの運営に当たる理事・役員陣も順次交代の時期を迎えることとなります。

 平成26年の今年が皆さまにとって素晴らしい一年でありますように!