東海科学機器協会の会報

No.316 2007 夏号

[ かきゃああんたも ] 名古屋商工会議所講演会「名古屋を日本一蕎麦のうまい街に」に参加して

名古屋科学機器(株) 
岡野 忠弘


講師:サザラン株式会社 代表取締役 服部 隆氏

日時:平成19年5月22日(火)

18時30分~19時50分 講演会

20時~21時      懇親会

場所:名古屋ルーセントタワー

16階 J(ジュールベルヌ)会議室(講演会)

1階 JPカフェ(懇親会)

<服部氏の略歴>

1949年 三重県四日市市生まれ

1974年 富士ゼロックス株式会社入社

1995年 在籍20年 転勤数数えられず 早期退職制度を利用し退職

1995年 紗羅餐(さらざん)開業 完全手打ちの出張蕎麦を中部財界人や著名人をターゲットにしぼり提供するとともに手打ち蕎麦教室を開催

2005年 セントレア店開店

2007年 ミッドランドスクエア店開店

人生観「清閑之歓」、しずやかでのどやかな生き方。あまりにも富士ゼロックスでの人生があわただしかったため、退職してもIT業界への進展は考えなかった。趣味でそれまでしていた「蕎麦」だけが残った、そうだこれを活かそう。しかし店を持たず出張で蕎麦を打とう、である。

蕎麦打ちは1日頑張っても120食。それを1000食にするには多くの人がいる。それをセントレアで実現した。当時蕎麦は大量生産をし、すべて機械化であった、当然うまい蕎麦はできない。それを「俺」がやろうと思う。富士ゼロックス時代にトヨタGとの人脈があった彼らにうまい蕎麦を食べてもらいたかった。ロータリアンとの人脈もあった。

同時に朝日カルチャーセンターや中日文化センターで蕎麦打ち教室を開いた。年60講座、過去10年間で述べ12000名の生徒を教えた。平行して3冊の蕎麦に関する本を出版。それ以来マスコミとのジョイントが続いた。マスコミを利用した。全国の蕎麦道場に70有余名。40軒の蕎麦やがオープンした。

きわめて科学的な手法(管理方法)を使った職人的な手法、人の養成をきちんと教える、3ヶ月あれば蕎麦は打てるようになる。一切隠し事はせず、レシピもオープン、ただ蕎麦の仕入れは一括して服部社長がおこなっている。

特にミッドランドスクエアの店はオープンな店である。だれでもがのぞけるようになっている、隠し事をしない。

人間の手が蕎麦の味付けをしている。普段着で上質なあそびごころのある大人の店、あきのこない質感のある店。江戸時代の昔から蕎麦やは粋と遊びの発信基地であった。しかし蕎麦やの時計も止まらず動いている、時代に即した店作りをしていく。2年後には「きらぼし」という名前の店をオープンしたい……。

服部社長はやはり理系の科学者である。蕎麦はたしかに旨い、しかし現実のお店作りや社員教育はこれから、おもてなしの心はこれからと感じる。ミッドランドスクエア4階の紗羅餐は安い蕎麦やさん。回転数13回/1日だそうです。