東海科学機器協会の会報

No.320 2008 春号

[ 会員だより ] 趣味のオーディオ

(株)ダルトン
高木良和


09022

私の趣味の一つにオーディオがあります。6畳の部屋が私の小宇宙を造り、そこで好きな音楽を楽しんでいます。どんなスピーカーをどんなアンプで鳴らすかどんな音楽を選ぶか、何でも自由。そこにはひとりの私がいて、創造した最高の音が聴こえる。その音を奏でる装置をあれやこれや考えるのが悩ましい。そんな事で、私は25年もの年月を過ごしてきたわけだが、考えてみるとオーディオにはただ音を創造するだけでなく、もっとも深い何かが有るような気がしてならない。オーディオの世界にはこれまでにどんな進歩があったのか。モノーラルはステレオになり、アンプは真空管からトランジスターになり、LPレコードはCDになり、オープンリールテープはカセットになった。昔はアナログしかなかったが、今はデジタルになった。でも肝腎な音を出すスピーカーの基本構造は変わっていない。まあそんなことに思いを巡らしながら、あらためて私が使っている装置を見ると、プレーヤーはデンオン、パワーアンプは真空管(KT88)、プレアンプはソニー、スピーカーはJBLを使用。そんな時代を過ごした私にとって、オーディオ装置とは単なる音が出る機械ではない。聴覚を刺激するだけでなく、それにまつわるさまざまな感激を私の頭と心に蘇えらせてくれる。オーディオはそんなにも悩ましく貴重な存在です。