東海科学機器協会の会報

No.319 2008 新年号

初春によせて

東海科学機器協会監事
山岸 晃(合資会社昭和理化)


11_012 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
年ごとに早く感じる一年を今年は自分にとってどんな早さになるのか、今はとても見当が尽きません。時間は皆平等にあるものの、ややもすると過去とは違った手段で時を使い分ける時代になっているとも思えます。お金を出して時間を買うと言う言葉も既に古い響きに聞こえます。昭和、大正、明治……、時代を遡っても時を刻む早さは同じなのに、何故か以前は豊かな時間があったような想いに駆られます。

国の文化の源は、その民族が抱いている特有の時間的感覚が風土と融合して創り得たものと思います。外国は及ばず国内でも地方に行くと、何か時間の感覚が違って感じることがあります。今日世界は偏った分野で同じ時間で物事を見ようとしています。携わる科学分野の進歩は時として刻む時間の大切さを無くしてしまう矛盾もあります。

深刻な話は次の機会にしまして年をとると何故一年が早く感じるのか。あるブログからの引用で申し訳ありませんが、一歳の一年は、その人の人生で1/1。30歳の一年は、その人の人生で1/30。100歳の一年は、その人の人生で1/100。つまり年齢に関わらず一年の長さを同じとして考えるとそんな形容が当てはまるのだそうです。我が協会にも大先輩が元気よく現役で活躍され、常日頃より心から敬服致しておりますが、少なくとも諸先輩の方々より私達若人は、時間を長く感じることが出来ると言う事です。大変申し訳ない気分ではありますが、この一年を長く得をしたような一年でありたいと希っております。