東海科学機器協会の会報

No.319 2008 新年号

2008年所感

東海科学機器協会理事
各務 隆弘(朝日テクニグラス株式会社)


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TKK会員の皆様には心新たに新春を迎えられたことと存じます。昨年は内政、国際情勢に様々な動きが見られました。とりわけ経済状況は米国の経済動向を敏感に反映して国内景気も政府短観表現に苦渋の色彩も色濃く、いま一つ景気回復の実感がつかめませんが、果たして今年はどのような経済展開が見られるのでしょうか。
 昨年までの興味は中国元の切り上げや、EC圏ユーロの高止まりが過去の経済履歴にはなかった昨今の特徴です。中国元については別項にゆずるとしてドイツ製品を扱う弊社としてはユーロの為替は無視できません。

今やEU連合が目指した米国に対峙できる経済の枠組みが、かつての中世以来の列強諸国を中心にその枠組みの実効性が形成されてきている認識をしなければなりません。EUは欧州共同体 (EC) から発展、1993年11月1日、マーストリヒト条約により発足。ヨーロッパ各国において経済、政治、軍事など社会的なあらゆる分野での統合を目指しています。本部はベルギーのブリュッセル。現在の加盟国は27か国です。

さらに発展途上のEU域近隣の小国も加盟を目指し、一進一退しながら螺旋を描いて強力なネットが構築されていくのでしょう。通貨を基軸として個別の文化、歴史を尊重しながら幅広い事項での「統合」が、強い欧州を育んでいる事例です。

 この意味でも組織とか、枠組みとかは最早1個では成りゆかず、東海科学機器協会も日本科学機器団体連合会に所属する意味に「ある種の統合」と看做すこともできましょう。 一方業際として粉体、清澄、計量との連携もあり、各方面から入手する様々な情報が、TKK会員あてにメール配信されているのはご承知かと存じます。年間事業への皆さんの積極的な参加に感謝しつつ、個々では不可能なことも徒党を組めば可能なことがあります。更に様々な角度からの助言もTKKに寄せて頂きたく、皆様のご意見を事業改革委員会がお待ちいたします。

 今年TKKは創立55周年の節目を迎えます。記念事業実行委員会では着々と準備が進んでいますのでご期待ください。

 この一年が皆様方にとって実り多き年になりますよう祈念申し上げます。